永川が痛恨押し出し…広島今季4度目零敗で最下位脱出ならず

[ 2015年4月27日 05:30 ]

<広・神>6回2死満塁、押し出し四球で2点目を失って降板する永川(中央)

セ・リーグ 広島0―6阪神

(4月26日 マツダ)
 広島は26日の阪神戦(マツダ)で今季4度目の零敗を喫した。打線は能見の前に三塁すら踏めず、投手陣も6回に大量6点を失う完敗。最下位脱出を逃し、借金も今季最多タイの6に逆戻りした。前日、今季最多の11得点を記録した良い流れを継続できなかった赤ヘル軍団。ナインは敗戦を教訓にして、28日からの9連戦に臨む。

 球場を埋め尽くした今季最多3万1661人の大観衆。その大多数を占める鯉党に勝利はおろか、見せ場すら提供することができなかった。緒方監督は事実を受け止め、努めて淡々と言葉を絞り出した。

 「追加点を許したことが、こういう敗戦につながったということです」

 結果を悔いてばかりはいられない。屈辱の完敗の中には、今後に向けて再確認すべき「教訓」はあった。

 分岐点は6回だった。2番手・永川が無死から福留、マートンに連続二塁打を浴び、先制点を献上。開幕から8試合を投げ、無失点と安定感を示していたベテランが乱れた。痛い失点には違いないが、ここまでは許容範囲。問題はその後だった。2死満塁まで局面を進め、西岡にストレートの押し出し四球。後を受けた3番手・河内も相手中軸に続けざまに痛打を浴びた。指揮官は冷静に振り返る。

 「1点取られた後、何とか流れを止められる雰囲気があった中での押し出し四球。そこからは止まらなかった」

 大量失点の背景には高い確率で四球が絡む。永川は「1点を取られて、切り替えることができなかった」と悔やんだ。

 打撃陣にも課題は残った。能見は昨年、カープと3度対戦し、2勝1敗、対戦防御率1・71の成績を残す。大量点は望めない状況の中、先制の足がかりは築いた。5回、ロサリオの左前安打、鈴木誠の犠打で1死二塁。だが梵は直球を打ち損じて遊飛に倒れ、代打・会沢も直球を見逃し三振。試合前からチームとして「狙い球」としていた直球をしとめきれなかった。「いい投手だから、失投は少ない。打つべき球を打てなかった」と新井打撃コーチ。この日、唯一の得点機を逃し、直後に大量点を失った。

 重要局面での四球の回避。さらに先制点の重要性。野球においての常識を再認識させられる、今季最大得点差の敗戦だった。28日から、現時点では今季唯一の9連戦がスタートする。敗戦を糧にする絶好の舞台は、整っている。

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