高木勇 ルーキーで月間MVP当確!リーグ単独トップ開幕4連勝

[ 2015年4月27日 05:30 ]

<ヤ・巨>高木勇は7回1失点で無傷の4連勝

セ・リーグ 巨人4―1ヤクルト

(4月26日 神宮)
 やられたらやり返す。新人とは思えない強心臓ぶりを発揮したのは2―1の7回1死一塁。巨人・高木勇は前の打席で一発を浴びた畠山に1ボールから、この日最速タイの143キロ直球を内角に2球続けて追い込む。最後も142キロ直球で懐を突き、三飛に仕留めた。

 「いい打者だと分かった上で本塁打を打たれた。次はしっかりインコースに投げようと思った」。5回、畠山に曲がりが大きく「高木ボール」と呼ばれる得意のカットボールを外角に投じ、左翼席に運ばれた。女房役の小林と話し合い、強気の内角攻めで雪辱した。

 チームはヤクルトとの首位攻防戦で連敗。第3戦を託された25歳のルーキー右腕は「この試合は絶対勝ちたかった」と強い決意で臨み、ピンチでも動じない。2―0の4回無死一塁。セーフティーバントで出塁させた一塁走者・上田を素早いけん制で刺した。この冷静さが、高木勇の武器だ。

 高卒で入社した社会人の三菱重工名古屋での1~2年目は感情の波が激しかった。当時投手コーチだった佐伯功監督は「球を目いっぱい投げるだけの単細胞だった」と証言する。その恩師から「とうしゅ、って書いてみろ」と言われた。「投手」と書くと「プロに行きたいのなら頭を使う“頭手”になりなさい」と諭された。転機だった。

 「一球一球、大切に投げるのが自分のスタイル」。魔法の言葉のように繰り返す。マウンドでの打者との駆け引きだけではなく、ベンチでも相手投手を観察。長短所を分析し、自身の投球に生かす。「自分に150キロを大きく超える剛速球はないから頭を使わないといけない」。7回3安打1失点。首位・ヤクルトとのゲーム差を1に縮めた原監督は「143試合、(シーズン中の)6カ月くらいはずっと勝たせてほしいね」と期待した。

 無傷でリーグ単独トップの4勝目を挙げ、新人では98年小林幹英(広島)以来リーグで2人目となる3・4月度の月間MVPを確実にした。きょう27日のランチはご褒美が待っている。内田強寮長から「勝ったらオムハヤシを作ってあげる」と言われていたのだ。「あすはオムハヤシを食べます!」。最後は初々しい笑顔で締めくくった。

 ≪07年金刃以来の快挙≫新人の高木勇(巨)が無傷の4連勝。巨人の新人で開幕から4連勝以上は、07年金刃以来7人目になる。4月までに4勝目を挙げたのは57年藤田、60年青木に次ぎ3人目で、ドラフト制以降では高木勇人が初めて。

 ▼巨人斎藤投手コーチ(高木勇について)きょうは良かった。月間MVP?それはもらうでしょう。

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