【キャンプ思い出】緒方監督 “特走部隊”入りが1軍台頭の土台に

[ 2015年2月1日 07:43 ]

92年のキャンプでランニングする広島・緒方

 新たに5監督が新任監督として指揮を執る今キャンプ。ソフトバンク・工藤公康(51)、西武・田辺徳雄(48)、楽天・大久保博元(48)、広島・緒方孝市(46)、ヤクルト・真中満(44)の各監督がキャンプインを前に、自身の現役時代のキャンプの笑って泣ける思い出話を披露した。

 一番印象に残っているのは入団3年目(89年)だね。山本浩二さんが監督に就任され、ヘッドコーチが大下剛史さんの1年目。僕にとっては、無我夢中でついていくのが精いっぱいだった1、2年目とは、全く違うキャンプになった。

 人呼んで「特走部隊」ですよ。河田(雄祐=西武1軍外野守備・走塁コーチ)さん、石橋文雄さんと僕。年齢の近い3人がピックアップされてね。「ベンチ入りの中で1人、守備兼代走要員を考えている。おまえら若手が競争して勝ち取れ」。そんなふうに首脳陣から説明された記憶がある。

 それはもう初日から最終日まで盗塁練習と特守を延々やりましたよ。盗塁練習なんか、けん制する投手も送球する捕手も本気だからね。オープン戦に入っても代走、守備固めの繰り返しだった。

 当時は毎日朝起きるのが嫌で逃げ出したかった。でも、後から考えれば、一つの武器を得るのに、貴重な時間を過ごしたと思うね。高校から入団し、そこまで飛び抜けた走力はなかったけど、キャンプ後からすごく向上したと周りが見てくれるようになり、自分にも自信がついた。実際、競争に勝ち残り、代走や守備固めで使ってもらえるようになったからね。1軍で台頭する土台になったと言っても過言じゃない。後にも先にも、あのキャンプ以上のものはなかった。

 ≪5年ぶり5人交代≫今季の新監督は両リーグで5人。前年から5人以上の監督交代は10年の5人以来5年ぶりになる。ただし、前回はオリックスの岡田、楽天のブラウン両監督が2球団目。今季のように5人とも監督として初めて開幕から指揮を執るのは75年に長嶋(巨)、吉田(神)、ルーツ(広)、秋山(大洋)、江藤(太平洋)と誕生して以来40年ぶりだ。

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2015年2月1日のニュース