これが今年のマエケン…志願の中４日も“勝負弱い”痛恨被弾

＜神・広＞６回１死、前田健（中央）は福留（背８）に中越えソロを打たれガックリ

セ・リーグＣＳファーストＳ第１戦 広島０―１阪神

（10月11日 甲子園）
　エースがまたも屈辱にまみれた。広島・前田健が１球に泣いた。レギュラーシーズン最終戦となった６日の巨人戦（マツダ）で８回１１８球、３失点で敗戦投手。チームは３位に転落し、球団史上初のＣＳ本拠地開催を逃した責任感から志願して中４日で臨んだが、雪辱を果たせず「自分の投球で負けた。勝たないと意味がない」とうつろな表情で話した。

　ちょうど１００球目だった。３ボール１ストライク、内角を狙った１５０キロの速球がシュート回転して甘く入った。野村監督は「福留にはいいところでやられている。過敏になって、カウントを悪くした」と悔やんだ。

　６回７安打１失点。今季初の中４日の影響は「マウンドに上がっている以上は関係ない」と否定したが、過去中４日で２勝５敗。毎回被安打の苦しい投球だった。後半戦は１２試合で２勝５敗と低迷し、１１勝９敗と振るわなかった今季を象徴するような結果に終わり、チームは土俵際に追い込まれた。

　今季限りで退任する野村監督。当初は新人の大瀬良を初戦に起用する予定だったが大黒柱の気概に懸けて２日前に急きょ変更。結果は裏目と出た。指揮官も「最初は違う投手を考えていたが、本人が行かせてくれ…と。自分の中で悔しさがあったんだと思う。（登板）間隔を詰めていたので責められない」とかばうしかなかった。前田健が再び雪辱の舞台に上がるには、チームは連勝しかなくなった。