鈴木“神の手”生還 直前まで滑らず我慢…ベースの先端に

[ 2014年7月16日 07:50 ]

<巨・ヤ>延長12回2死二塁橋本の右前打で二走鈴木尚が本塁に生還、サヨナラとなる

セ・リーグ 巨人4―3ヤクルト

(7月15日 東京D)
 巨人・鈴木に見えたのは、ホームベースの五角形のとがった先端だけだった。紙一重のサヨナラを生んだのは鈴木の高等技術。直前までスライディングを我慢。捕手をかいくぐったところで、左手でベースの先端を触った。

 「捕手(の中村)が本塁を隠していた。回り込んだらアウト。直線的に行って、捕手を抜けて見えている部分を触るしかなかった。一瞬の判断」

 飛ぶようなスライディング。捕手をかわし、体を落として本塁を触るには、その距離は50センチ程度しかない。だが、鈴木は「ベースのさらに先にもうひとつベースがあるイメージ」で盗塁を重ねてきた。直前まで滑らない極意が本塁でも生きた。しかも、送球を一切見ず、中村の体の動きだけを見た。コンマ何秒のロスもなかった。「野球に100点はないけど、駆け抜けながらタッチする技術としては良い出来」とスペシャリストは涼しい顔で勝利を呼び込んだ。

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