昨春V腕・小島 早すぎる夏に涙…浦学17年ぶり3回戦敗退

[ 2014年7月16日 05:30 ]

<浦和学院・県川口>記者に囲まれ、顔をぬぐう浦和学院・小島

埼玉大会3回戦 浦和学院1―4県川口

(7月15日 県営大宮)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は15日、34大会で269試合が行われた。埼玉大会では、昨春センバツ優勝の浦和学院が3回戦でノーシードの県川口に1―4で敗戦。先発した小島(おじま)和哉投手(3年)は5回4失点で降板し、3年連続の出場を逃した。宮城大会4回戦でも3年連続出場を目指した仙台育英が東北学院に敗れる波乱もあった。また、東東京大会では都雪谷の今秋ドラフト候補右腕・鈴木優投手(3年)が城北戦で4失点完投勝利を挙げた。16日は32大会で270試合が行われる。

 悔し涙が止まらない。最後の夏。3年連続の夏の甲子園出場を狙ったはずがノーシードの県川口相手にまさかの3回戦敗退を喫しエース左腕の小島は「みんなに申し訳ない。自分を責めることしかできない」と全ての責任を背負い込んだ。

 初戦で15三振を奪った剛腕は影を潜めた。初回、先頭打者に死球を許すなど制球が定まらず、いきなり2失点。4回にも2点を追加された。4安打5四死球で4失点。奪った三振はわずか3だった。精彩を欠く内容に5回で早々と降板させられ、右翼の守備に就いた。

 「本来の調子のいい自分を取り戻せなかった。最後まで投げたかったが、監督が調子のいい投手を使うのは当然。悔しい」。2年春のセンバツで優勝投手になった。史上8校目の春夏連覇を狙った昨夏の甲子園では仙台育英に初戦敗退。左足をけいれんして9回途中で降板し、悔し涙を流したエースは「あの試合があったから、今の自分がある」と雪辱に燃えていた。「体力がなくて負けた」と反省し、1日300球を投げ込んだ。森士(おさむ)監督は今春、小島を主将から「監督代行」に昇格させ「それだけの責任を負わなきゃいけない。やつは特別」と全幅の信頼を寄せていた。

 しかし、現在のチームにはセンバツを制した昨年の爆発的な打力はなかった。小島の出来が全てであり絶対エースが崩れた時、敗れるのは必然だったかもしれない。名門校にとって、3回戦敗退は97年以来17年ぶりの屈辱。森監督は「柱である小島がしっかりせず、周りも浮足立ってしまった。歯車がかみ合わず、修正できなかった。残念」と唇をかんだ。 

 ≪昨夏1回戦で仙台育英に惜敗≫大会3日目の1回戦で対戦。初回に浦和学院が1点を先制すると、直後に仙台育英が6点。3回に浦和学院が7安打で8点を奪い、逆転するシーソーゲームになった。10―10の9回2死一塁で先発・小島が左足のけいれんのため降板。直後に仙台育英の1番・熊谷が左翼線を破る二塁打を放ち、サヨナラ勝ちを収めた。両校の甲子園での対戦は初めてだった。

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