巨人・片岡 移籍後初V打 追いつかれた拙守の雪辱、単独首位呼んだ

[ 2014年4月6日 05:30 ]

<中・巨>延長10回、片岡が勝ち越しの右前適時打を放ち、ガッツポーズ

セ・リーグ 巨人5-3中日

(4月5日 ナゴヤD)
 巨人・片岡治大内野手(31)が5日、中日戦の延長10回2死二、三塁から右前に移籍後初となる決勝打を放った。西武から巨人にFA移籍した新戦力が5連勝に導き、広島が敗れたため、チームは今季初の単独首位に立った。開幕から3カード連続の勝ち越し。昨季に続く2年連続となり、球団では1953、54年以来、60年ぶりの快進撃だ。リーグ3連覇を狙う原巨人が、早くも独走態勢に入りつつある。

 喜びよりも反省が上回った。敵地ナゴヤドームで拍手と歓声を浴びながら、巨人移籍後初のヒーローインタビューを受ける片岡に笑顔はなかった。「僕のミスで点を与えた。運良くチャンスで回ってきたから絶対に打たないと、と思った」

 延長10回2死一、三塁。田島に2球で追い込まれた。「ストライクゾーンを広くして右方向を意識した」。一塁走者・橋本が二盗し、5球目。田島が投じた内角低めの148キロ直球をおっつけ、狙い通りに右前に運んだ。移籍後初の決勝打でチームを5連勝に導き、単独首位に押し上げた。

 1点リードの8回2死一、三塁。谷繁が放った一、二塁間の打球をグラブに当てながらも捕球し切れなかった。記録は安打だが、守備範囲の広い片岡なら捕れた場面。同点に追いつかれて「あれは絶対にやってはいけないプレー。僕の準備不足」と悔いが残った。汚名返上の一打。打率・400、得点圏では、・600にはね上がる勝負強い打撃で自らを救った。

 常勝軍団の一員となり、気づいたことがある。決まりごとの緻密さ。攻守とも1球ごとにベンチから細かい指示が飛ぶ。それを橋本ら若手も、ロペスら外国人も当たり前のようにこなす。「(西武時代は)感覚でやってきた部分もあった。理詰めでやらないといけないと思わせてくれる」。強さの秘密を肌で感じた。

 左太腿裏付け根付近に張りを感じ、1、2日のDeNA戦(横浜)はベンチスタート。代わりに出場した同じ移籍組の井端が2試合で3安打と存在感を示した。この日も井端に先発を譲ったが、7回の守備から途中出場し、試合を決めた。「これからも勝つことを考えてやっていきたい」。帰りのバスに乗り込む時も表情は険しい。自らに厳しい姿が、成長の証だ。

 ▼巨人・井端(古巣・中日戦に移籍後初出場し3打数1安打1四球)力みましたが、勝って本当に良かったです。

 ≪延長戦打率は.340≫片岡(巨)が延長10回に移籍後初の決勝打。延長回のV打は西武時代の昨年5月29日DeNA戦以来自身4本目。10回以降の通算成績は53打数18安打、打率.340と、延長戦で力を発揮している。これでチームは阪神○●○、DeNA○○に続き中日にも○○と勝ち越し。巨人の開幕3カード以上連続勝ち越しは、昨年に続き11度目になるが、2年連続でマークするのは水原監督時代の53、54年以来60年ぶりだ。なお、過去10度のうち8度優勝となっておりV確率は80%。

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