大竹G斬りで完成!広島 球団26年ぶり2桁勝利カルテット誕生 

[ 2013年9月30日 06:00 ]

<巨・広>7回2死二、三塁のピンチで長野を二ゴロに打ち取り大竹は雄叫びを上げる

セ・リーグ 広島4-0巨人

(9月29日 東京D)
 広島・大竹は強い気持ちで続投を志願した。2―0の7回2死二、三塁で長野の三塁線のファウルを処理しようとした際に左太腿裏がつった。治療のためいったん下がったが、再びマウンドへ。最後はフルカウントから144キロのシュートで二ゴロに仕留め、右拳を握りしめた。

 「うれしいし、気持ちいい。10勝は簡単な数字じゃない。チームのみんなに感謝です」

 7回を6安打無失点で2年連続2桁勝利。立ち上がりは完璧で4回に初めて走者を出して無死一、二塁とされたが、クリーンアップをきっちり封じた。6回1死満塁は村田を「勝負どころと思って力いっぱい投げた」と空振り三振。続く高橋由も一ゴロで切り抜けた。

 特別な思いを込めた登板だった。現役引退を表明した前田智がこの日、1軍に合流。「僕が投げた試合は、かなりの確率でホームランを打ってくれた。“また寛ちゃんの時に打ったよ”と言われ、さすが前田智さんと感心した記憶がある」。大竹登板時は30本塁打。背番号1への感謝を気迫の投球で示した。

 エースの前田健、野村、バリントンに続く4人目の大台到達で、今季は12球団最多。圧倒的な強さでリーグ優勝した巨人も3人だ。広島では87年の大野13勝、川口12勝、北別府10勝、川端10勝以来、26年ぶり。同年の川端は全て救援での勝利で、先発登板による「2桁勝利カルテット」誕生は球団史上初となった。

 野村監督が「(4人2桁勝利は)なかなかできることじゃない」と称えれば、山内投手コーチは「CSも4人が中心。(順番は)相性や状態で考える」と言った。短期決戦を考えた場合、信頼できる先発が4人そろっているのは最大の強み。チームは97年8月以来となる月間15勝(7敗1分け)と勢いを持って残り3試合、そしてCSへ向かう。ファイナルステージに勝ち上がれば、舞台は同じ東京ドーム。大竹はヒーローインタビューで「また戻ってきたい」と声を張り上げた。

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