黒田 3回以外“完全”も無援街道「勝つチャンスを与える投球はできた」

[ 2013年6月15日 06:00 ]

<アスレチックス・ヤンキース>3回、失点し、帽子に手をやるヤンキース・黒田

ア・リーグ ヤンキース2―3アスレチックス

(6月13日 オークランド)
 白星が遠い…。ヤンキースの黒田博樹投手(38)は13日(日本時間14日)、先発で好投したが、打線の援護に恵まれず、5試合連続で勝ち星から見放された。アスレチックス戦で日本人3人目の通算1000投球回を達成した黒田は8回を2安打2失点。好調な投球とは裏腹に、約1カ月間、勝ち星がない試練の状況が続いている。

 黒田にとっては悔やまれる1点だった。2点リードの3回、先頭打者に四球を与えたことから1点を許し、なお2死一塁。スミスには右翼フェンス直撃の当たりを浴びた。一塁走者のジェイソは一気に本塁を狙ったが、イチローから完璧な中継プレー。タイミングは完全にアウトだったが、捕手スチュワートは右手にボールを持ったまま、左手のミットでタッチし、判定はセーフとなった。

 失点したのも、走者を許したのもこの回だけ。スミスの二塁打の後からは8回まで16人連続で打ち取り、同点でマウンドを降りた。試合はヤ軍としては88年以来25年ぶりとなる延長18回の末、サヨナラ負け。7勝目が遠い黒田は「3回以外は完璧だったが?」との質問に「それをクリアできれば完全試合ですから」と淡々と振り返った。

 ドジャース時代も、08年には8試合連続勝ち星なしを経験するなど、打線の援護に恵まれないことが多かった。それでも黙々と自分の仕事に徹するのが黒田だ。その証として、2回を終えた時点でメジャーでの投球回数が1000イニングに到達した。野茂、大家に次ぐ金字塔。「長くやっていればという数字」と気にしていないが、162試合での到達は、野茂の158試合に迫る数字だ。

 勝ち星がないここ5試合は、打球直撃の降板あり、9回に守護神リベラが打たれての勝ち星消滅あり、2日のレッドソックス戦は降雨コールドで敗戦投手となった。運にも恵まれていないが、黒田は言う。「常にチームに勝つチャンスを与えるピッチングという意味ではできたかな。攻撃に関しては僕がコントロールできるところはほとんどないので」。どんな状況でも攻め続けるのが背番号18のスタイルだ。

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2013年6月15日のニュース