マートン バット交換即!虎歴代100本目サヨナラ弾

[ 2013年6月7日 06:00 ]

<神・西>9回裏無死、サヨナラ本塁打を鼻ち、歓喜の輪に飛び込むマートン(中央)

交流戦 阪神2-1西武

(6月6日 甲子園)
 もし、あのバットを使っていたら…。阪神・マートンの打球は、おそらくスタンドには届かなかっただろう。同点の9回、先頭で打席に入った助っ人は、いつになく冷静だった。

 初球。牧田の115キロスライダーを空振りした。気持ちを落ち着けて、構えに入る直前。真鍋球審にバットを見せた。わずかなヒビを見逃さなかった。すぐに一塁ベンチに走った。代わりのバットに松ヤニを付け、再び小走りで打席に戻った。

 2球目。外寄りの117キロスライダーを捉えた。左手1本で運んだ打球は甲子園の左翼席最前列へ飛び込んだ。「ちょうどバットを替えたので、ラッキーバットになりました!」。お立ち台で笑った。

 6回の打席では、牧田の内角直球に詰まらされ遊ゴロ併殺打。バットはその時にヒビが入っていた。「(9回の打席で)最初に空振りした後、バットの角度を変えた時に(ヒビに)気がついた。だから審判の方にお願いして、替えさせてもらったんだ」と明かした。

 前夜の西岡のサヨナラ打に続き、チームの2試合連続サヨナラ勝ちは08年9月以来、5年ぶりだった。マートンは5月25日の日本ハム戦(甲子園)で来日4年目で初のサヨナラ打を放っていた。その12日後、来日初のサヨナラアーチは、球団では通算100本目のメモリアル弾となった。

 首位・巨人が日本ハムに勝ったために奪首はならなかった。それでも、5月26日以来となる今季最多タイの貯金10だ。和田監督は「勢いが出てきた」と手応えを口にした。普段は陽気な助っ人が魅せた、打席での繊細さ。まさに「4番のバット」が試合を決めた。

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