攻守で「梵デー」試合決定付ける2点打&美技2発

[ 2013年6月7日 06:00 ]

<広・ロ>ファンの歓声に応える梵

交流戦 広島4-1ロッテ

(6月6日 尾道)
 尾道で快勝だ。広島は6日、ロッテを4―1で下し、一夜にしてセ・リーグ最下位を脱出、4位浮上に成功した。連敗を6で止めた立役者は梵英心内野手(32)だ。2―1の8回2死一、二塁で左越え2点二塁打を放つなど、今季初の3安打猛打賞。遊撃守備でも好守を連発し、投手陣をもり立てた。野村謙二郎監督(46)は就任4年目で通算200勝に到達した。

 パの首位・ロッテを逆転で下した尾道の夜。当地での連勝を3に伸ばし、長くてツラい連敗トンネルを脱出した野村監督は口元を緩め、開口一番「疲れたよ。座ったままでいいかな? ちょっと、ホッとさせて」と切り出した。表情には安ど感がにじんでいた。

 投打の歯車が噛み合う快勝劇。その中心にいたのは梵だ。指揮官をして「きょうは梵デー。守備で2つ、3つ好守があったし、2死になって嫌な空気の中で打った、2点打も大きかった」と言わしめる活躍ぶり。まずはその、快音を響かせた場面から振り返ろう。

 1点リードの8回。無死一、二塁でエルドレッド、広瀬が連続三振し、重い空気が漂った直後に打席が回った。左腕・松永が1―1から投じた内角低めのスライダー。舞い上がった打球は前進守備を敷く左翼手の頭上を越えた。試合を決定づける2点二塁打だった。

 「あぁいう場面でヒットを打ちたかった。勝ってよかったです」

 ベテランは短い言葉に喜びを込める。「出塁だけを考えていた」という5回には中前へ運び、同点劇をお膳立て。先頭打者の7回にも右前打を放った。今季初の3安打猛打賞。それだけじゃない。遊撃守備でも、尾道の赤ヘル党をうならせる好プレーを披露した。

 圧巻だったのは2―1の7回1死一、三塁の大ピンチで、荻野貴の三遊間へのライナーを横っ跳び好捕したシーン。8回2死二塁でも、角中が放った二遊間のゴロを飛び込んで処理した。「好守? ハイ、ありがとうございます」。32歳はどこまでもクールだった。

 就任4年目。この日の勝利で指揮官は球団史上8人目となる通算200勝(261敗)に到達した。「そうなの? 長いなぁ。一つ一つの勝ち星は選手たちに感謝しています」と苦笑い。節目の1勝に貢献したバリントン、岩本、松山、赤松ら…梵以外のプレーぶりも称えた。

 交流戦は残り7試合。明日8日からは本拠地に西武を迎える。「連敗脱出? これから頑張っていきたい!」。短い梵の言葉が指揮官とナインの思いを代弁していた。

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2013年6月7日のニュース