マー君昨年8月から負けなし9連勝 両リーグトップ5勝目

[ 2013年5月9日 06:00 ]

<日・楽>4回を投げ終え、大声をあげる田中

プロ野球 パ・リーグ 楽天5-2日本ハム

(5月8日 札幌D)
 4回2死。小谷野をスライダーで空振り三振に抑えた楽天の田中は、心の底から吠えた。この回まで走者を一人も許さない完全投球。打者を圧倒する本来の姿を取り戻した。

 「今年一番の球がいっていたと思う。真っすぐの走りが良くて、他の球が生きた。ストレスもなく打者と勝負ができた」

 今回も登板間の調整で遠投を行い、腕を振りきる感覚を磨いてきた。直球が走ったことで、得意のスライダーも切れた。4回、先頭打者の陽岱鋼(ヨウダイカン)から、この日最速の152キロの外角直球で見逃し三振を奪うと、5回1死二塁でもアブレイユを直球で見逃し三振に仕留めた。

 今季初完封も期待された7回にアブレイユにカーブを中堅席に運ばれた。田中が被弾するのは昨年6月22日のロッテ戦(郡山)以来、実に154イニングぶりの本塁打。「本塁打にされたのは最悪の結果」と反省は忘れなかったが、7回を4安打2失点で開幕から無傷で両リーグトップの5勝目。昨季からの自身の連勝を9に伸ばし、チームを今季初の4連勝、4月15日以来となる勝率5割復帰に導いた。

 今月5日。松井秀喜氏の引退セレモニーが行われた。幼少時代からテレビで憧れの視線を注いでいたという田中は「凄く魅力的な方。日米で活躍されてアメリカでも愛されていた」と話した。「対戦したかったか?」との問いには「(それに答えていたら)切りない。長嶋さんや王さんもでしょう」と笑ったが、自身も早ければ今オフに松井氏と同様に大リーグに移籍する可能性がある。

 次回は中5日で交流戦開幕となる14日のDeNA戦(横浜)に先発予定。「対戦の少ない相手だし、楽しみながらしっかり投げていきたい」。95球で降板したことで余力を残し次戦に臨む。

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2013年5月9日のニュース