球児 極寒本拠地で半袖セーブ「上半身、裸でも投げられる」

[ 2013年4月11日 06:00 ]

<カブス・ブルワーズ>9回から登板し、2セーブ目を挙げグラブをたたくカブス・藤川。右奥は青木

ナ・リーグ カブス6―3ブルワーズ

(4月9日 カブス)
 カブスの藤川球児投手(32)が9日(日本時間10日)、本拠リグリー・フィールドで守護神デビューを果たした。ブルワーズ戦の3点リードの9回に登板。青木宣親外野手(31)とのメジャー初対戦は三ゴロ失策となったが、直球を軸に1回を1安打無失点、2奪三振で今季2セーブ目を挙げた。7日にクローザーに指名されて以来初めてのマウンドで、火消しに成功した。

 6―3で迎えた9回。気温約4度の試合開始時から3時間近くが経過。体感気温が氷点下に達した本拠地のマウンドに、藤川が半袖のアンダーシャツ姿で向かった。

 「あそこで長袖着て投げなければいけないくらい興奮しなかったら、どこで興奮するんですか。上半身、裸でも投げられる」

 抑え。阪神時代から慣れ親しんだ「本職」での出番に興奮し、アドレナリンが出まくった。

 先頭打者を見逃し三振。そして、日本でも同一リーグだった青木との対戦を迎えた。「(日本時代より)数段大きくなっていて、怖かった。対戦して興奮するというより、胸を借りるくらいの選手」。2ボール2ストライクから内角を狙った92マイル(約148キロ)の直球が外角高めへ。それでも三ゴロに仕留めたかに見えたが、失策で一塁に生かした。

 その後、空振り三振と左前打で2死一、二塁。しかし、4番ルクロイを2球で追い込むと、最後は二飛に打ち取った。全22球のうち「火の玉ストレート」が18球。投手方向から本塁へ強い風が吹き、フォークの制球が難しいという環境もあり、直球主体で勝負。逆球も多かったが、「力勝負がクローザーの絶対条件」というポリシーを貫き、思い切り腕を振った。

 「きょうは凄くうれしい日。ここでセーブを挙げられたのは自分の人生にとても大きなこと。このチームに来て(本拠地での)チーム初勝利の場面で自分に運があるなと思う」

 本拠地初登板でチームの連敗を4で止めた守護神は感慨深げに振り返った。

 球場内の売店で販売されているグッズはレプリカユニホームだけ。登板時の歓声も決して大きくはない。「ファンの方に名前と顔と、投球スタイルをまだまだ覚えてもらわなければならない」。最後のマウンドに立ち続けることで、シカゴファンの心をつかむ。

 ≪日本では25の7≫藤川と青木は日本で通算30打席対戦した。25打数7安打(打率・280)、0本塁打、3打点と、ほぼ互角。最後に対戦したのは11年8月28日の阪神―ヤクルト戦(甲子園)の9回の空振り三振で、同年は3打数無安打だった。一方で、10年は5打数3安打と青木に軍配が上がった。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月11日のニュース