浩二監督 2つの失敗が決断に「ベテラン2人は集中力、落ち着きがある」

[ 2013年3月3日 06:00 ]

<ブラジル・日本>大声を上げて阿部(右)を出迎える山本監督

WBC1次ラウンドA組 日本5―3ブラジル

(3月2日 ヤフオクドーム)
 山本監督は会見場で大きく息を吐いた。 「非常に苦しい戦い。ブラジルは想像以上に粘り強かった。日本のペースにならず苦しかった」。

 1点を追う8回。追い詰められて指揮官は腹をくくった。内川の出塁後、糸井には送りバントを命じた。昨季、犠打0の4番が初球を投前へ転がすと、5番・稲葉の代打・井端が右前へ同点打。さらに1死満塁、8番・相川の場面で代打・阿部を送る。

 阿部は右膝に爆弾を抱え出場を見送る予定だったが賭けに出た。「接戦になると、ベテラン2人は打席に立っての集中力、落ち着きがある」とチームをまとめる2人の勝負強さに賭けた。

 2つの失敗が8回の決断につながった。同点の5回2死二塁。前2打席で2安打のレジナットの場面で東尾投手総合コーチがマウンドに行きながら、勝負して勝ち越し二塁打を浴びた。6回無死一塁では鳥谷に強攻策を指示し二ゴロ併殺。「甘い球が来て左打者が引っ張ればと思ったが併殺。(同じ左打者の)糸井のバントへの決断を固くした」と語った。

 試合前ミーティングで「普段のプレーをやってほしい。日本中のファンの声援があるし、裏方さん、関係者の皆さんも助けてくれている。それを背負って、グラウンドで発散してくれ!アメリカへ行こう!行こう!」と気合を入れたが、指揮官もあらためて采配の難しさを味わった一戦だった。

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2013年3月3日のニュース