能見→牧田　ピシャリ！極上方程式、上位打線ねじ伏せた

＜ブラジル・日本＞８回を抑えた能見

ＷＢＣ１次ラウンドＡ組 日本５―３ブラジル

（3月2日 ヤフオクドーム）
　やっぱり、この男は頼りになる。逆転直後の８回から登板した能見が圧巻の投球だ。「いい流れだったのでよかったです」。２番からの上位打線を完璧にねじ伏せた。

　先頭のブリンは直球で押して二ゴロ。続くレジナットは田中、杉内、摂津からいずれも安打を放った好打者だが、初球から勝負球のフォークを投げ込み、再び続けた２球目で一飛に打ち取る。最後のユウイチもフォークで空振り三振。最速１４４キロをマークした直球もシーズン中と変わらない切れ味だった。

　「緊張は出ましたけどね。リリーフなので失投は許されない。勝ってよかったです」

　準備段階での充実が本番にもつながった。当初は「庭球のよう」に感じたＷＢＣ球に対して精力的な投げ込みで自在に操るまでに感覚を磨いた。阪神の宜野座キャンプ滞在は２週間。自主トレも合わせた限られた期間で例年並みの総投球数に近づけることを目指した。短期間で１０００球以上に到達。「いつもの年よりも調子がいいくらい。ボールが思うように変化してくれるのが一番」。手応えは本物だった。

　９回は牧田が１安打されながらも２三振を奪って締めた。「自分の投球をしようと思っていた。点差は関係ない。楽な部分はなかったです」。先発陣が不安をのぞかせる一方、能見―牧田のリレーは盤石だった。

　首脳陣は能見の起用法について、当初から１回限定を予定。山本監督は理由を明かした。「素晴らしい腕の振り。今後は先発もあるということで１イニングにした」。大会前から「ジョーカー役」として起用する構想を持つ。次も勝負どころの救援か、それとも先発の大役か。いずれにせよ、３連覇には能見の力が欠かせないことが、はっきりした。

　▼東尾投手総合コーチ　きょうはこのメンバーと決めていた。能見は１イニングと決めていた。６日のキューバ戦登板？当然ある。