大谷 ダル式三投流!フォーム使い分け「その日の状態を見て」

[ 2013年2月7日 06:00 ]

横にそれた送球にびっくりする植村(左)と落ち着いて捕球する大谷

 変幻自在のダル流イリュージョンだ。日本ハムのドラフト1位・大谷翔平投手(18=花巻東)が6日、沖縄県国頭村(くにがみそん)の2軍キャンプで2度目のブルペン入り。ノーワインドアップから捕手を立たせたまま50球投げ込んだ。全てセットポジションだった3日の初ブルペンから迫力がアップ。ワインドアップを含めた3投法を、レンジャーズのダルビッシュ有(26)のように、日々の状態によって使い分けていく。

 投げる瞬間、半袖姿の大谷から何度も「ウオッ!」と声が漏れた。ただ一人、ブルペン入りすると、5人同時に投げられるマウンドの真ん中へ。気迫のこもった投球でファン250人の視線を独占した。

 「見られている感じはあったけど、(1人だと)周りのペースを気にせずいける。きょうは全体のまとまり、フォーム、投げた感じが良かった」

 全てノーワインドアップから50球。直球にカーブ、スライダー、カットボールを交えた。初ブルペンの3日は全てセットポジションも「腕の振りが悪く手投げになった」という。今回は「体全体を使って投げよう」という意識を強くするため投法を変えた。加藤2軍投手コーチも「あれだけ腕を振って球のばらつきが少なかった。前回とは明らかに違っていた」と成長ぶりを認めた。

 花巻東時代は走者がいないケースでは大きく振りかぶるワインドアップで投げていたが、プロでは「その日の状態を見て、一番しっくりくるもので投げていく。試合でもそうなると思います」と話した。球の勢い重視のワインドアップ、制球重視のセットポジション、その中間ともいえるノーワインドアップを使い分けていきたいという。

 背番号11の先輩でもあるダルビッシュは、日本ハム時代も再三、試合中にワインドアップからセットポジション、ノーワインドアップと投法を変えていた。メジャー移籍後はキャンプから開幕戦まではワインドアップ。2戦目にノーワインドアップで打ち込まれると、以降はセットポジションに戻すなど引き出しの多さが成功につながった。大谷も「今は自分のフォームを固めていく時期。段階を踏んでワインドアップも投げる」と説明。現時点で、投法については大谷本人に一任されている。

 7日から花巻東の期末テストを受けるため、練習後にチームを離れた18歳。9日に再合流する右腕は苦手という数学などの9教科について「赤点だけは取らないように」と苦笑いしたが、次回10日に予定される捕手を座らせた本格投球では「満点」を狙う。

 ▼阪神・平塚プロ兼アマスカウト 見られて良かった。ウチの藤浪とはタイプが違うけど甲乙つけがたい。凄く柔らかい印象で、剛の藤浪、柔の大谷という感じ。

 ▼日本ハム・徳田ブルペン捕手 速い。初速と終速の差が少ない。受けてみて、(大谷の)手を離れてすぐミットに入る感じ。

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2013年2月7日のニュース