大谷本人から質問なし…“崖っ縁”日本ハム 栗山監督投入へ

[ 2012年11月18日 06:00 ]

日本ハムと交渉するためホテルに入る大谷(右)と父・徹さん(左)、母・加代子さん

 メジャー挑戦を表明している花巻東・大谷翔平投手(18)をドラフト1位で指名した日本ハムは17日、山田正雄GM(68)らが岩手県奥州市内のホテルで入団交渉を行った。両親の勧めで、今回は大谷本人も同席。選手育成体制などを説明したが、大谷のメジャー挑戦の意志は固く、言葉をひと言も発することはなかったという。球団側は次回交渉で最後の切り札として栗山英樹監督(51)を出馬させ、いちるの望みに懸ける。

 2度目の対面でも大谷の固い意志を変えられなかった。山田GMと大渕スカウトは約1時間、プロジェクターを使用して球団の育成体制、投手と野手での「二刀流」プランを提示した。だが、大谷本人から質問はなく、あらためてメジャー一本の姿勢が浮き彫りとなった。

 日本ハムは育成力をアピールした。9月2日のソフトバンク戦(ヤフードーム)では高卒3年目の中村勝が先発し、4年目の杉谷、2年目の西川が先発出場した。球団にはメジャー球団の在籍経験者が16人いることも紹介。月1回の頻度で講師を招いて人間力を学ぶための講義も行っている。

 しかし、大谷が笑みを見せることはほとんどなかった。山田GMは「二刀流の話をしたときは非常に喜んでニコッとした」と振り返ったが、前回交渉で両親に提示した韓国人高校生のメジャー挑戦の統計をまとめた資料も「それほど反応はなかった」。入団への感触も「分かりません」と言葉を濁すしかなかった。

 交渉後に対応した父・徹さんは「前向きな態度は感じられなかった。でも、全く“ノー”という感じでもなかった」と18歳右腕の微妙な心情を代弁した。山田GMは「次回は栗山監督を連れてきたい」と、席上でその意向を大谷に伝えた。スポーツキャスター時代から大谷を知る栗山監督の存在は、日本ハムにとって最後の切り札となる。次回交渉は今月下旬以降。本人のメジャー挑戦の意志は固いだけに次回が不発ならば、最後の交渉となる可能性が高い。

続きを表示

2012年11月18日のニュース