30歳“第5の捕手”新田 今季初安打プロ初打点

[ 2012年9月16日 06:00 ]

<ヤ・D>8回1死二、三塁、中前に2点適時打を放つヤクルト・新田

セ・リーグ ヤクルト6-3DeNA

(9月15日 神宮)
 ヤクルトにまたもニューヒーローが現れた。30歳の苦労人・新田がCSへの道を大きく切り開いた。

 「渋いっスよ。でも、バットの芯に当たって強く叩けたので高いバウンドになってくれた」

 8回だ。森岡の連夜の殊勲打で勝ち越して迎えた1死二、三塁。6回の代打の打席では遊ゴロに倒れた新田だが、2打席目にこん身の一打を放った。叩きつけた打球は、ワンバウンドで前進守備の二塁手・内村の頭上を越える貴重な2点打。これが今季初安打、プロ初打点のおまけも付いて「一つでも貢献したいと思ったのでよかった」と笑った。

 相川、川本が故障で離脱する中、捕手3人制を敷くため9日に2軍から上がってきた。社会人パナソニック時代になかなかプロから声が掛からず、諦めて「会社に貢献しよう」と思ったら、26歳のときにヤクルトからドラフト5位で指名された。今年8月25日には長男・幸大(こうだい)くん(第2子)が誕生。1軍に懸ける思いは強かった。

 小学3年のとき、トランポリンの西日本大会で優勝。体幹の強さやバランスを生かした打撃だけではなく、今季初マスクでも7回から3投手を巧みにリードし、無失点に抑えた。小川監督は、新田がプロ初打点と聞いて「えっ、そうなの?(記念の)ボールをもらわなきゃいけないな」と目を細めた。

 伏兵が次々ヒーローになって4位・広島と2ゲーム差。ツバメが完全に上昇気流に乗った。

 ▼ヤクルト・森岡(8回に決勝三塁打で連夜のお立ち台)直球なら仕方ないとフォークに張ってました。毎日、一生懸命にやってます。

 ▼ヤクルト・福地(6回に代打で同点二塁打)捕手のところでの代打だったので、監督の期待に応えられるように思い切っていった。

 ◆新田 玄気(にった・げんき)1982年(昭57)8月22日、香川県高松市出身の30歳。高松商では高3夏に香川大会8強。中大ではベストナイン2度、パナソニックでは05年の日本選手権優勝に貢献した。08年ドラフト5位でヤクルトに入団。10年に1軍デビューし6試合に出場も、昨季は1軍出場がなかった。ロッテの中郷は義弟にあたる。1メートル72、80キロ。右投げ右打ち。

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