帽子ひさしに自覚の一文字…内海2年連続最多勝へ13勝

[ 2012年9月14日 06:00 ]

<巨・広>13勝目を挙げ女性ファンの声援に応える巨人・内海

セ・リーグ 巨人4-1広島

(9月13日 東京D)
 ステップを踏んで身を翻した。最後のひとヤマは2点リードの7回1死一塁。巨人・内海は菊池の投ゴロを捕球すると、素早くターンした。二塁送球が転送され、併殺が完成。7回を5安打1失点。リーグトップタイの13勝目をつかんだ。

 「調子自体はあまり良くなかったけど、阿部さんがうまくリードしてくれた。(援護点を)取ってほしいときに取ってくれているので、気持ち良くマウンドで投げさせてもらっています」

 4安打完封で退けた前回対戦の8月17日(東京ドーム)と同様に、広島は全て右打者を並べてきた。この打線に対して、自身の感覚では「イメージ通りの球がいかなかった」と言う。2、3、4回とピンチが続いたが、そこから崩れないのが持ち味。失点は6回にエルドレッドに浴びた本塁打の1点だけに抑えた。

 2回2死満塁で今井を遊ゴロ、6回1死一塁からは鈴木、倉をともに三ゴロ。そして7回の投ゴロ併殺と、この日は21アウト中9個を内野ゴロで奪った。同じ左腕の杉内の今季のアウトの割合はゴロが29%、三振が38%。内海はゴロが46%で三振が23%。打たせて取って勝ちを積み上げる象徴的な投球だった。原監督も「“良かったんじゃないか?”と言ったら“そうでもない”って言っていた。自分にも厳しくなってきたんじゃないでしょうか」と目を細めた。

 11日に2年目の小山が2勝目、12日は4年目の笠原がプロ初勝利。「気合の入ったピッチングを見せてくれたので、負けていられないというか、半面うれしさもあった。いい効果を生んでいる」。兄貴分としてつないだ連勝に内海の喜びが倍増した。

 昨季に続き2年連続最多勝なら巨人の左腕では史上初。「ここまで来たら狙っていきたい。2年連続で獲りたい」。野手では阿部、投手では内海が投手陣の真ん中にいる。帽子のひさしに書かれた「柱」の文字が本物になってきた。

 ≪巨人では16年ぶり5人目≫内海(巨)がハーラートップタイの13勝目。7月16日阪神戦からは6連勝となったが、自身シーズン6連勝以上は昨季5、6月に7連勝して以来2度目だ。昨季は18勝を挙げ吉見(中)と最多勝のタイトルを分け合った。巨人で2シーズン以上連続で最多勝を獲得すると37年秋~40年スタルヒンの5シーズンを筆頭に沢村が36年秋、37年春、江川が80、81年、斎藤雅が89、90年と95、96年の2度マークしており、16年ぶり5人目(6度目)、左腕ではチーム初めてになる

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