作新・吉田 代打逆転弾!背番号16が最後の夏に大仕事

[ 2012年8月10日 06:00 ]

<佐久長聖・作新学院>6回1死一塁、作新学院の代打・吉田(右)が逆転2ランを放ち笑顔で生還

第94回全国高校野球選手権1回戦 作新学院9―5佐久長聖

(8月9日 甲子園)
 代打に立った作新学院・吉田が甲子園初打席で大仕事をやってのけた。1点を追う6回1死一塁。「左打者には直球で勝負に来る。一、二塁間が空いてるからゴロで抜けばいい」。5球目。ゴロ狙いで叩きつけた一打は、意に反して弧を描き、右翼席へ飛び込んだ。

 史上11人目の代打アーチ。代打逆転となると88年夏の宇部商・宮内以来史上2人目の快挙だ。「僕だけで打てたホームランじゃない。みんなの支えで打てた」と言った。

 昨夏も今春も、アルプス席で応援していた。冬場は右肋骨骨折と左膝故障でリハビリの毎日。「みんなに差をつけられたくない」。肋骨骨折中は下半身、膝の故障中は上半身を鍛えた。練習に復帰後も夜10時に帰宅して1時間の素振りを繰り返した。努力で最後の夏に背番号16をつかんだ。

 前日8日が18歳の誕生日。仲間がケーキを買ってきたささやかな誕生会では、小針崇宏監督から「あすは頼むぞ」と言われた。それに見事に応えた。0―4から逆転勝ちした指揮官も「吉田は勝負のワンチャンスに懸けるために置いておいた打者」としてやったり。名門の切り札が昨夏のベスト4超えを予感させた。

 ▼作新学院・篠原(4打数4安打3打点。7回の3ランが甲子園通算1300号)気分は最高。今までやってきてよかった。本塁打は直球に絞り、つなぐ気持ちで打った。吉田が打ってくれて気持ちよく打席に入れました。

 ≪代打逆転本塁打は史上2人目≫作新学院の吉田が1回戦の佐久長聖戦で代打本塁打。10年に明徳義塾の座覇が本庄一戦で記録して以来、史上11人目。代打逆転本塁打となると、88年に宇部商の1年生・宮内が東海大甲府戦で1―2の9回1死二、三塁から3ランを放って以来、2人目となる。

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2012年8月10日のニュース