阿部113打席ぶり一発!右足首違和感も先発一塁で強行

[ 2012年8月10日 06:00 ]

<巨・神>8回2死一、三塁、右越えに勝ち越し3ランを放ち、ガッツポーズする巨人・阿部

セ・リーグ 巨人4-1阪神

(8月9日 東京D)
 巨人は9日の阪神戦で、阿部慎之助捕手(33)が8回に勝ち越しの13号3ランを放ち4―1で逆転勝ち。同カードの連勝を8に伸ばした。前日は右足首の違和感を訴え、途中退場。この日は2年ぶりに一塁での先発出場となったが、故障を感じさせない一振りでチームを5連勝に導いた。また自身が東京ドームで本塁打を打った試合は、2分けを挟み24連勝と不敗神話も継続した。

 阿部は久しぶりの手応えに確信を持てなかったという。それでも打球は一直線に右翼席前列へ突き刺さった。一振りで試合を決めた4番は「もう本塁打を打てないかと思ってました」とお立ち台で照れ笑いを浮かべた。

 6月29日の中日戦(東京ドーム)以来、28試合本塁打から遠ざかっていた。前日まで3試合連続無安打で、この日も3打席目まで凡退していた。8回に坂本の犠飛で同点とし、なお2死一、三塁の場面で回ってきた第4打席。走者を還すために意識を変えた。「1人エンドランだったよ。少々のボール球でも振っていこうと思っていた。甘い球にあおり気味で、球が上がらないのが分かっていたので」。ゴロを打つつもりで筒井の初球の高めのボール球を上から叩いた。これが下からバットが出ていた悪癖の矯正につながり、113打席ぶりの13号3ランとなった。

 前日の阪神戦で右足首に違和感を訴え、途中交代。全体練習開始前に患部を確認した際には「しゃがむとしんどかった」という。そのため、守備の負担を軽減するために11年9月3日のヤクルト戦以来、先発では10年7月9日の中日戦以来となる一塁守備に就いた。7月28日の広島戦(マツダ)では逆の左かかとを痛めており、両足に不安を抱えていた。それでも4番を託した原監督は「久しぶりにスカッとした。彼は百戦錬磨ですから」とうなずいた。

 打撃への期待が増す一塁起用には「緊張したし重圧はかかった。大変だな」と漏らしたが、それも力に変えた。10日以降については「様子見ですね。動いて、それを報告します」。阪神との伝統の一戦で8連勝に導いた主将は、それでもなお出続ける覚悟だ。

 ≪東京Dで打てば24連勝≫阿部(巨)が8回に13号逆転3ラン。本塁打は6月29日中日戦の2打席目に放って以来29試合、113打席ぶり。03年4月から5月にかけて記録した自己ワーストの120打席アーチゼロが迫っていたが、貴重な一発でブランクを止めた。今季阿部が東京ドームでマークした6本塁打の内訳は先制、同点、逆転、同点、勝ち越し、逆転と全て殊勲アーチ。これで阿部が東京ドームで本塁打を打つと、10年7月4日阪神戦から2分けを挟み24連勝と必勝パターンが依然続いている。

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2012年8月10日のニュース