三浦 巨人斬り150勝「横浜に残って本当に良かった」

[ 2012年7月5日 06:00 ]

<D・巨>7回2死三塁、古城を空振り三振に抑え、ガッツポーズのDeNA・三浦

セ・リーグ DeNA4-3巨人

(7月4日 横浜)
 節目の勝利はずっと勝てなかった天敵から奪った。DeNAの三浦大輔投手(38)が、4日の巨人戦で7回3失点の粘投。今季7勝目、通算150勝目を挙げた。巨人には05年8月23日(横浜)以来、10連敗を喫していたが、2507日ぶりの勝利となった。21年目のベテラン右腕が巨大戦力を誇る巨人相手に意地の力投を見せた。

 地元ファンの祝福が心地よかった。「番長おめでとう!」の声が飛び交い、G倒でのメモリアル勝利を祝うボードが揺れる。3試合の足踏みを経てプロ通算150勝を達成した三浦は、お立ち台で素直に喜びを表現した。

 「ファンの皆さんがこんなに喜んでくれて良かった。横浜に残って本当に良かったです!」

 地元ファンにビジター用ユニホームを披露する企画のため、上下紺色でソックスを見せるクラシックスタイルで登場。3回に3点先制されたが、直後に味方が同点に追いつくと「背中を押してくれてる感じだった」とすぐに立ち直った。ハイライトは1点リードの7回1死三塁。「踏ん張りどころ。気持ちもマックスでした」とギアを上げた。長野を内角攻めで追い込み、最後は外角に沈むカットボールで空振り三振。続く古城も、この日最速の144キロ直球で空振り三振に仕留め、右拳を握りしめ、雄叫びを上げた。

 先発予定だった前日は雨天順延。三浦は自らスライド登板を志願した。自身3試合ぶりの横浜スタジアム登板、相手は巨人。舞台は整っていた。「周りが言うほど苦手意識はない」と言うものの、巨人戦はここまで通算10勝32敗。10年3月20日のオープン戦(東京ドーム)では8被弾して4回で14失点したこともある。最近は登板を避け、先発は10年5月8日(新潟)以来、2年ぶりだった。だが今年は春先から好調。新球団の大黒柱が、いつまでも逃げてはいられない。友利投手コーチの「ここで勝てなかったら、もう一生勝てないよ」のゲキに応える111球の熱投で7回3失点。05年8月23日(横浜)以来、7年ぶりの巨人戦勝利で同カードの自身の連敗も10で止めた。

 ベテランになればなるほど練習法を変えることは勇気がいるが、三浦はそのリスクをいとわない。今は瞬発系のトレーニングに誰よりも集中的に取り組んでいる。平野トレーナーは「進化するために新しいものを取り入れる姿勢が凄い」と話す。登板直前のブルペンには試合開始40分前に入り、他の投手の2倍の時間をかけて肩をつくって試合に臨む。そのたゆまぬ努力が実った。FA宣言した08年オフにファンの声にも押されて残留を決断した男は「横浜でずっとやってきて良かった」と感慨にふけった。

 中畑監督は「今年の大輔はどこが相手でもいける。150勝は通過点だよ。次は200勝」。三浦も「これまでも150勝を目標にしてきたわけじゃない。一つ一つ積み重ねていくだけ」と次なる目標を見据えていた。

 ≪史上47人目、2番目の年長記録≫三浦(D)が4日の巨人7回戦(横浜)で今季7勝目を挙げ、プロ野球47人目の通算150勝を達成した。初勝利は93年9月4日広島戦。チームで通算150勝以上は平松政次201勝、秋山登193勝に次ぎ3人目。また38歳6カ月での到達は94年佐藤義則(オ)の39歳7カ月に次ぐ2番目の年長記録になった。三浦の通算勝敗は150勝151敗(勝率・498)。150勝以上の投手で負け越しているのは他に梶本隆夫(阪急)254勝255敗、長谷川良平(広)197勝208敗、坂井勝二(日)166勝186敗と3人。三浦が今後勝ち越しに転じるか注目だ。

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2012年7月5日のニュース