「温かい」ファンに異例の要請 星野監督“ヤジって”

[ 2011年12月12日 06:00 ]

「楽仙会」の懇親会であいさつする星野監督

 もっとヤジってくれ!就任1年目の今季はリーグ5位に終わった楽天・星野監督が、本拠地・Kスタ宮城のファンに対して「ヤジ」を強く要請した。異例のお願いの裏には、選手の精神的な成長を促す狙いがある。

 東北6県へのあいさつ行脚の最終日。山形市内のホテルで行われた「楽仙会」の懇親会で星野監督は「自分が現役で打たれたときはファンから“ボケ、カス”と言われて成長した。皆さん、どんどん球場でヤジってください。ストレスを発散させてください!」と語り、会場を盛り上げた。

 今季、星野監督は5位でも最後まで応援してくれた東北のファンの「温かさ」を感じる一方で、「打たれて降板する投手に“お疲れさま”という拍手が起きた。あれでは選手が悔しさを感じない」。過去に監督を務めた中日、阪神では常に熱狂的なファンの応援があり、凡打や敗戦時は容赦ないヤジを浴びたが、選手には反骨心が芽生えて成長。だから他球場に比べておとなしいといわれるKスタのファンに「ヤジ飛ばし」を期待した。

 横浜DeNAの中畑新監督は自身のキャッチコピーを「熱いぜ」に設定したが、星野監督こそが「燃える男」の元祖。過去にナゴヤ球場のベンチの扇風機を破壊したこともある。来年1月に65歳となるが「今年は選手を観察していたから、周りに“おとなしかったね”と言われる。来年は常にファイティングポーズを取る」と気迫を前面に出してCS、日本一を狙う覚悟だ。

 「将来、Kスタが甲子園のライトスタンドのようになれば、優勝争いができる」と星野監督。「ヤジ」が選手やチームを強くすると信じている。

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2011年12月12日のニュース