鈴木 14年目で自身初のサヨナラ打…オリックス貯金1

[ 2011年7月3日 06:00 ]

<オ・ソ> 9回裏(オ)1死、二塁、鈴木(左から3人目)は左前サヨナラ打を放ちナインの手荒い祝福をうける

パ・リーグ オリックス4-3ソフトバンク

(7月2日 京セラD)
 ドラマチックな幕切れだった。同点で迎えた9回1死二塁。絶好の舞台で打率2割台のオリックス・鈴木が打席に向かった。2番手のファルケンボーグが1ボールから投じた2球目速球を左前に運びプロ14年目にして自身初のサヨナラ打となった。

 「真っすぐしか打つ球はないし。あの場面で、代打も送られずに取り返すチャンスをもらったので、何とかしたかった」

 劇勝に3万を超える大観衆の興奮が最高潮に達した。今季チーム初のサヨナラ勝ち。3年目となる「大坂夏の陣」で初の勝ち越しを決める特別な1勝となった。昨季は3連敗を喫した夏の陣で前夜のヒーロー・ヘスマンに続き2夜連続で伏兵が勝負を決めた。しかし殊勲打を放った女房役の鈴木に笑顔はなかった。

 「(サヨナラ打は)初めてだけど、心底喜べない。平野は悪くない。僕のせいです。僕は守りで生きている人間。大反省しないといけない」

 2点リードで迎えた7回2死一塁。痛恨の配球ミスがあった。2番手の平野がカウント2ストライクからフォークを投じた場面だ。追い込みながらも勝負を急ぎ、長谷川に右翼席に運ばれた。平野にとって今季初被弾が同点2ラン。「素晴らしい投手を受けさせてもらってるのに期待に応えられていない。あんなことをしたら僕の持ち場もなくなる」。しかし中継ぎエースを救う一打で白星をプレゼントしたことはまぎれもない事実だった。

 「バッテリーミス。もっと大事な時期が来るんやから。あんなミスしたらアカン。ただ勝って終わるのは大きいよ」

 ミスを厳しく責めた指揮官も劇的勝利は評価した。首位の強敵相手に2連勝で再び貯金1。今季初の同一カード3連勝を狙う岡田オリックスが夏の陣の歴史を塗り替える。

 ≪大坂夏の陣初の勝ち越し≫オリックスが今季初のサヨナラ勝ち。3連戦の1、2戦を制し「大坂夏の陣」3年目で初の勝ち越しを決めた。今季チームは交流戦で5月31日から6月8日にかけての7連勝をはじめ、3連勝2度、2連勝1度と期間中の15勝すべてを連勝に絡めたが、リーグ戦では再開直後の6月24、25日のロッテ戦に続く今回がシーズン2度目の2連勝だ。きょう3日も勝てば今季初&ソフトバンク戦3年ぶりのカード3連戦全勝。交流戦でつけた勢いに乗って行きたい。

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2011年7月3日のニュース