1388日ぶり、走った!松井 二盗で逆転勝利呼ぶ

[ 2011年7月3日 06:00 ]

<アスレチックス・ダイヤモンドバックス>4回、松井はスタートを切り4年ぶりとなる盗塁を決める

インターリーグ アスレチックス5―4ダイヤモンドバックス

(7月1日 オークランド)
 ゴジラ激走!アスレチックスの松井秀喜外野手(37)が1日(日本時間2日)、ダイヤモンドバックス戦の4回に二盗を敢行。ヤンキース時代の07年9月12日のブルージェイズ戦以来、実に1388日ぶりの盗塁に成功した。両膝の手術以来初めてで、体調面での完全復活をアピール。直後に同点の生還を果たした。5回には43打席ぶりの適時打となる右翼線2点二塁打を放ち、会心の逆転勝利の立役者に。大好きな7月に最高のスタートを切った。

 どよめく球場。慌てふためく相手守備陣。松井が走った。捕手モンテロの二塁送球は若干それたが、よほどのストライク送球でなければセーフのタイミングだった。

 「隙があったのでいきました。昔の自分の足なら余裕でセーフだと思いましたけど。実際危なかったですけどね」。試合後の舌も滑らか。ここ数日は見られなかった笑顔がこぼれた。

 1点を追う4回2死一塁。普通の走者なら盗塁が十分考えられる場面だが、ダ軍一塁手ミランダはベースから離れた。「投手がだいぶゆっくり投げていたし、ファーストも後ろに下がった。自分の足でもいけるかなと思った」。二盗後、スウィーニーの右前打で二塁から一気に生還。松井を刺せなかったモンテロは「誰も警戒していなかったし、いいスタートを切られたから難しかった。4年ぶり?俺はラッキーな男だね」と苦笑した。

 07年に右膝、08年には左膝を手術。09年までは試合中の走塁はもちろん、階段の上り下りや普段の歩き方まで足の運びにぎごちなさがあった。「手術後では一番状態がいい」と迎えた今季。まさに完全復活の証となる4年ぶりの盗塁に「その間、ずっと膝を痛めていたわけですから。よかったんじゃないですか。(0が)1になったわけですからね」と、しみじみと振り返った。

 チーム最年長37歳の快走にナインは大盛り上がり。ボブ・メルビン監督代行も「マツイが自分で走った。非常にスマートなプレー。試合の先を読んでいる。勝機をたぐり寄せた」と大絶賛だ。前日に精神的支柱のエリスがロッキーズ移籍。リーダーを失ったチームに松井が激走で手本を示すと、5回には5安打で一挙4点を奪い逆転した。5本目の安打は松井の右翼線2点二塁打。自身43打席ぶりの適時打で、右翼方向に引っ張っての安打は36打席ぶり。「直球で押してきましたけど、甘く入ってきたのでしっかり打てましたね」。足だけでなく、バットでも勢いを取り戻した。

 この日は試合開始時の気温が24度。オークランドにも夏が到来しようとしている。大好きな暑い季節。松井自身は7月は、月別通算で最高の打率・307、35本塁打をマークしている。あと1本としている日米通算500本塁打こそ出場12試合連続で足踏みしているが、逆襲のJuly。「ジュライシック・パーク」でゴジラが大暴れする。

 ≪7月は最高成績≫通算月別成績を見ると、松井が最も好調なのが7月。打率・307、35本塁打は月別でいずれも最高成績だ。年度別で見ると昨季を除けば全て打率・290、15打点以上をマーク。エンゼルスに在籍した昨季こそ打率・228、4本塁打、9打点に終わったが、07年には月間打率・345、13本塁打、28打点で自身初の月間MVPにも選出されている。ちなみに06年は左手首骨折、08年は左膝痛のために7月は1試合も出場していない。

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2011年7月3日のニュース