福島県浪江町出身 早大・横山「元気送る!」

[ 2011年4月9日 06:00 ]

練習後、手渡されたばかりユニホームを寮で広げ被災地と新潟で避難所生活を送る家族へ健闘を誓う早大・横山

 東京六大学野球の春季リーグ戦が9日、神宮球場で開幕する。今季は電力事情などを考慮して、試合開始時間を1時間早めた午前10時試合開始となる。昨秋優勝の早大は第1試合で東大と対戦。斎藤佑樹(日本ハム)ら主力投手陣が卒業したが、東日本大震災の被災地・福島県浪江町出身の横山貴明投手(2年)ら若手投手の台頭が連覇への鍵を握る。

 背番号19の真新しいユニホームを手に、早大の横山はきっぱりと言い切った。「とにかく福島の方に元気になってもらえるように頑張るだけです」。今季の早大は斎藤(日本ハム)大石(西武)福井(広島)のドラフト1位右腕トリオが卒業。その後釜として期待される横山は、福島第1原発から20キロ圏内となる浪江町の出身だ。実家は半壊。福島原発を仕事場にしていた父は失職して現在、家族は新潟県内で避難所生活を送っている。中学時代の恩師の安否も確認されていないとあって「自分がプレーすることで福島の人が元気になってくれれば、うれしい」。複雑な思いを胸に、横山は神宮での活躍を誓った。

 ▼早大・土生翔平主将 投手力が落ちて野手も小粒になったけど、勝ち方は知っているのでつなぐ野球をしたい。

 ▼慶大・伊藤隼太主将 感謝の気持ちを持ちながら学生らしく一戦一戦戦って被災地の方の励みになる戦いをしたい。

 ▼法大・難波真史主将 「1」へのこだわりを持ってやってきた。一日一日を大切にして1番を狙う。

 ▼明大・竹田育央主将 一つ一つ小さなことを積み重ねていきたい。昨年100周年を迎えたので新しい歴史をつくる。

 ▼立大・岡崎啓介主将 テーマは「今しかない」。昨年から試合に出てる経験者が多いので、今年は楽しみ。

 ▼東大・岩崎脩平主将 謙虚な姿勢を忘れずにやってきた。簡単に勝てるほど甘くないけど、最下位脱出を狙う。

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2011年4月9日のニュース