継投ズバリ!野間口緊急登板で後半戦初奪首

[ 2010年8月4日 06:00 ]

<巨・神>5回1死二、三塁、巨人・野間口が阪神・マートンのライナーを好捕し、三塁に転送して併殺となる

 【巨人6―2阪神】原ズバリ継投で、真夏の決闘に先勝――。巨人は3日、阪神との首位攻防戦で、先発のセス・グライシンガー投手(35)が2回途中に右すね打撲で負傷交代。2番手で緊急登板した野間口貴彦投手(27)が4回を無失点に抑え、08年6月11日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、783日ぶりの勝利を挙げた。3連戦の初戦を白星で飾り、対阪神戦3連勝となった巨人は、後半戦初の首位に立った。

 コンマ何秒の間に、野間口は決意した。「絶対、体に当ててやる」。5回1死二、三塁。抜ければ逆転の中前適時打となるマートンの強烈なライナー。衝撃に対応するために体を丸めると、左手グラブにずしりとした感触があった。すぐさま三塁に転送。併殺を完成させ、ド派手なガッツポーズとともに吠えた。
 「素直にうれしい。緊急登板?そういうのが向いているのかもしれません。いつも考えすぎでダメなんですけど、何も考えずに思い切って投げることができた。2軍でも1軍でも結果を出せず、ずっと腹立たしかった。(きょうの勝利は)自分にとって大きい」
 阪神との首位攻防初戦に出場選手登録されたのが野間口だった。先発グライシンガーが2回に先頭ブラゼルの打球を右すねに受けて降板。いきなり訪れたチームの危機。ここで野間口が大急ぎでブルペンで30球を投げ込み、大観衆が待つマウンドへと向かった。毎回走者を背負ったが、「この試合の重要性は分かっていた。気持ちを込めて投げた」と3つの併殺でピンチを必死に切り抜け、4回を無失点に抑えた。

 6回からは久保、マイケル、山口、越智とつないで首位を奪回。好調の猛虎打線を相手にする今3連戦は打撃戦が予想されることから、原監督は中継ぎ陣を通常の6人から7人に増員。その中で2番手に起用した野間口の用兵がズバリ当たり、指揮官は「(野間口が)締まったゲームにしてくれた。先発にアクシデントがあった中で、初戦を獲れたのは非常に大きい。勢いがつく」と、この1勝の意義を強調した。
 「きょうも(結果を残せるか)不安だったのは事実。また同じ投球をしたい」と野間口。2年ぶりの白星の味をかみしめるのもこの日限り。真価が問われるのはこれからだ。
 ▼巨人・伊原ヘッドコーチ(阪神3連戦の初戦を勝ち)きょうの立役者は野間口。よく頑張った。鶴岡も強気にリードした。
 ▼巨人・久保 (1失点に)きょうはつなげてない。野間口が頑張ったと思う。またあした頑張りたい。
 ▼巨人・越智 (クルーン不在も)きょうみたいな感じで、誰かが頑張って、みんなで乗り越えていきたい。

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2010年8月4日のニュース