松坂「すごくつらい…」登板なし終戦

[ 2009年10月13日 06:00 ]

チームはエンゼルスに3連敗、引き揚げるレッドソックス・松坂大輔。プレーオフで初めて一度も登板の機会なく終わる

 【レッドソックス6-7エンゼルス】レッドソックスは11日、地区シリーズ第3戦でエンゼルスに9回2死無走者から2点差を逆転され、3連敗で敗退。松坂大輔投手(29)はメジャー3年目で初めてポストシーズン登板なしに終わった。

 地元ボストンのファンの誰もが勝利を確信していた。2点差の9回2死無走者、守護神パペルボンはアイバーをカウント2―0と追い込んだ。しかし、中前へ運ばれると歯車が狂う。四球と敬遠も絡み、3安打で3点を失い、あと1球からの逆転負け。中継ぎ待機したブルペンで終戦となった松坂はしばらく動けなかった。歓喜に沸くエ軍ナインを見つめた後、最後にベンチへ引き揚げた。

 マウンドに立てなかった悔しさがこみ上げる。声は震えていた。「終わったかと…いう感じ。(野球人生で)何もできなかったということがほとんどなかったので、すごくつらい思いをした」。98年の横浜高での春夏連覇から11年。西武、WBCとチームの中心に君臨してきた松坂が、これほど自分の“無力”を感じたことはなかった。

 2度目の故障者リスト(DL)から復帰した9月15日以降は4試合で3勝1敗、防御率2・22と安定していたが、シーズンの貢献度を優先され、地区シリーズは中継ぎ待機を命じられた。この日は2回表に62球、6回表に16球を投げて準備したが、出番はなし。リーグ優勝決定シリーズに進出すれば、4番目の先発だっただけに「プレーオフに投げられるようトレーニングしてきたので投げたかった」と嘆いた。

 WBC連覇で華々しく幕を開けた松坂の09年だが、その後は右肩疲労によるフォームを崩しての不振と2度のDL入りを経験。結局、シーズンで挙げたわずか4勝に終わった。しかし、下を向いてばかりはいられない。「やってきたことは決して無駄にはならない。この気持ちを忘れずにまた来年頑張りたい」。つらく悔しい1年が報われる時は必ず訪れるはずだ。

 ≪斎藤も「本当に悔しい」≫斎藤もブルペンでシーズン終了を迎えた。第1戦以降は登板機会はなく、屈辱的な幕切れに「まだ冷静に受け止めきれない。プレーオフに出られた喜びもあるけど、こうなると本当に悔しい」と肩を落とした。右脇腹痛を抱えていた岡島は6―7の9回2死一、二塁から登板。モラレスを左飛に打ち取ったが、試合後は言葉を発することなく球場を後にした。

続きを表示

2009年10月13日のニュース