もしかしたら小笠原が3冠王!と思わせる勢い

[ 2009年8月8日 06:00 ]

<巨・ヤ>1回、無死一、二塁、小笠原道大がライト線に逆転2点二塁打を放ち激走

 【巨人10―7ヤクルト】狙い球を絞ることはない。打つ方向を決めることもない。それでもスランプにならない。小笠原は自らの感性で打撃を進化させてきた。ベンチ裏の会見場。ヤクルト・館山との今季対戦成績が16打数9安打、打率・563となったことを振られても、答えはこうなる。

 「分かんない。何だろうね…。たまたま、何か合っちゃう。たまたまだよ」
 1点を先制された直後の初回無死一、二塁。館山の内角フォークを右翼線に引っ張り逆転打を放った。3回にも内角直球を右前へ。6回には2番手・木田の外角直球を左翼席へ運び、今季2度目の1イニング3発のトリを飾った。
 左への一発は、この日で5本連続となった。25本塁打の内訳は左11、中3、右11。36本塁打を放った昨年は左8、中3、右25だった。各球団が右寄りに守備位置を寄せる小笠原シフトは、今年に入り意味を成さなくなっている。それでも「意識はないけど(左へ)打っている時はしっかり叩けているのかなと。向こう(左方向)とか引っ張ろうとか意識はないんでね」と素っ気ない。
 打撃練習で意識するポイントは、両脇を締めること。この一点を追求し、バットを振る。一発を含む3安打4打点。本塁打、打点は2位、打率は3位と打撃3部門で上位につける。チーム3冠だけでなく、リーグ3冠王も狙える位置にいる。リーグ2冠の中日・ブランコとは5本差、打点も2差に接近した。
 8回の第5打席。低めの直球をライナーで中堅へはじき返したが、正面を突いた。「大事にいったつもりだったけど、もうちょっとね」と反省するのが憎らしい。
 チームは引き分けを挟み2連勝。「1球1球ムダのないように、投手を援護できるようにしたい」と小笠原。どこまでもどん欲だから、3冠王も現実の目標だ。

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2009年8月8日のニュース