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日本最終種目で惨敗 尾方13位、佐藤は最下位

[ 2008年8月25日 06:00 ]

最下位に終わった佐藤はコースに向かって一礼する

 【北京五輪 マラソン】日本勢は尾方剛(35=中国電力)が2時間13分26秒で13位、佐藤敦之(30=中国電力)が2時間41分8秒で76位と惨敗した。

 はるか前方で繰り広げられているハイレベルな戦いに、全く参加できなかった。ゴールにたどり着いても、満足も充実も安どもない。強烈な敗北感だけを背負い、尾方が13位でゴールラインを越える。佐藤にいたっては、女子13位の中村の2時間30分19秒よりも遅い2時間41分8秒で最下位の76位。競技場に戻ってきた際は、健闘を称える拍手を浴びた。左股関節周辺を痛めた大崎が前日に欠場を発表して2人で挑んだが、日本選手団の北京五輪最終種目は惨敗に終わった。

 「(最初の5キロを)14分台でいくとは思わなかった。先頭の動きだけ確認しとけば逃がすことはないと思って集中していたけど、位置取りが悪くなってしまった」と尾方は振り返ったが、位置取りどころの問題ではなかった。冬のマラソンを上回るようなハイペースについていけなかった。10キロを34位、15キロを30位で通過しながら、13位まで上がったのがせめてもの意地。一方、走り込みの時期に腸炎を患い、スタート前から不安を抱えていた佐藤は「ペースが速くてついていけなかった。悔しいけど、これが現実」とうなだれた。

 夏のマラソンの常識を覆すレースに震かんしたのは、選手だけではない。2人を指導する中国電力・坂口監督は「マラソンは特別なものじゃなくなった。一万メートルの延長。一万メートルの延長だとどうなるか分かる」と厳しい表情で話した。トラックの一万メートルで、日本のトップ選手がアフリカ勢に周回遅れにされる現実。「これから男子に関しては入賞が最大目標になる。メダルなんて軽々しく口にしちゃいけない」。日本陸連・河野マラソン部長の言葉が、すべてを物語っていた。

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2008年8月25日のニュース