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イラク五輪不参加に怒りと悲しみの市民

[ 2008年7月25日 19:15 ]

 国際オリンピック委員会(IOC)が、イラク・オリンピック委員会(NOCI)に対する「政府の介入」などを理由に、イラクの五輪参加を認めないと通告した。母国選手の活躍に期待を抱いていたバグダッド市民からは25日、深い失望と怒りの声が上がった。

 問題の発端は5月。NOCIは、戦争の混乱の中でハディヤ会長が武装勢力に拉致され、多数の役員も辞任し機能停止に陥っていた。イラク政府は「新役員選出過程を正常化するため」などとして、青年スポーツ相率いる暫定委員会に運営を委任。IOCはこれを「政府によるスポーツへの介入」と指弾した。
 バグダッドの大学生ナデルさん(22)は「スポーツは、宗派や民族をこえてすべてのイラク人が支持できる唯一の分野だったのに。政府はNOCIに介入すべきではなかった」と語り「数少ない希望がなくなった」と落胆。
 一方でガソリンスタンド従業員のジャファリさん(24)は「外国の組織(IOC)がイラクのスポーツを攻撃し辱めている。イラク政府は代表選手の権利を守るべきだ」と憤った。
 コンピューター店の女性従業員スーハさん(30)は「政治はいつも、イラク人の幸せを破壊してしまう。五輪不参加は本当に悲しい」と話した。(共同)

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2008年7月25日のニュース