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アジア勢には負けん!日本男子 当然の1勝

[ 2008年6月2日 06:00 ]

イラン陣内へボールを押し込む山本(左)

 バレーボールの北京五輪男子世界最終予選第2日は1日、東京体育館で行われ、世界ランキング12位の日本は同26位のイランを3―1で下し、今大会初勝利を挙げた。スーパーエースの山本隆弘(29=パナソニック)がチーム最多の21得点でけん引し、悪夢の逆転負けを喫した前日のイタリア戦のショックを振り払った。アジア勢との4連戦初戦に快勝した日本は、92年バルセロナ五輪以来4大会ぶりの五輪へ向け、3日に韓国と対戦する。

 スーパーエース山本がイランを粉砕した。2セット連取後、第3セットを落として迎えた第4セット。日本はミスを連発して、19―16から19―18まで詰められた。しかし、続く山本の強打が悪い流れを断ち切った。最後は越川が決めて今予選初勝利。21得点をマークした山本は「きのうは最後で決めきれなくて、なかなか寝付けなかった。きょうは一つの壁を乗り越えることができた」と興奮気味にまくしたてた。
 4年前の悪夢を払しょくした。前日のイタリア戦は第4セット24―17から、11回のマッチポイントを生かせず、痛恨の逆転負け。山本の脳裏にアテネ五輪予選がちらついた。4年前、2戦目の中国戦で最後に山本のスパイクが止められ、フルセットの接戦を落とした。そのショックで調子を落とし5連敗でアテネ行きを逃した。
 試合前、植田監督はアテネ五輪予選を経験している山本ら4選手を集めて声をかけた。「前回のように負けを引きずるな」。山本は得意のジャンプサーブで4本のサービスエースを奪った。チーム合計でもイランの1本に対し、日本は9本。サーブを中心とした積極性が勝利を呼び込んだ。
 アテネ五輪予選後に一度は代表を外れながら、植田監督に直訴して戻ってきたスーパーエースは「悔しい思いをしている分、4年前とは精神面も変わっている。必ず切符を獲りたい」と手応えを口にする。イタリアに敗れ、現実的な目標がアジア枠での五輪切符獲得となった今大会。アジア勢との4連戦初戦の勝利を呼んだ大黒柱が、北京への道を切り開く。

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2008年6月2日のニュース