【朝日杯FS】アプローチ届く!中谷、4年半ぶり2度目のG1騎乗

[ 2015年12月18日 05:30 ]

G1制覇に燃える中谷とシャドウアプローチ

 2歳王者を決める「第67回朝日杯フューチュリティS」の出走馬16頭が17日、決まった。エアスピネルに騎乗する天才・武豊のJRA平地G1完全制覇に注目は集まるが、シャドウアプローチの鞍上に急きょ指名された中谷雄太(36)も、約4年半ぶりのG1騎乗に燃えている。平たんではない騎手人生を歩んできた苦労人にチャンス到来。同レースの枠順は18日に決定する。

【朝日杯FS】

 チャンスをモノにする。シャドウアプローチに騎乗する中谷は、約4年半ぶりのG1舞台に挑む。先週日曜、コンビを組む予定だったルメールが騎乗停止となり、舞い込んだオファー。鞍上は「初めて聞いた時、“チャンスだな”と思った。プレッシャーはないし、いい意味で緊張感を持って臨める」と自然体を貫く。

 98年デビューの鞍上は同期に池添謙一、酒井学らG1ジョッキーがいる。美浦所属時代の07年には、年間0勝と苦い思いも味わった。13年秋、栗東へと拠点を移し心機一転。明るく人情味あふれる性格から関西の地にも、すぐに溶け込んだ。

 今年はここまで16勝を挙げ、デビュー以来最多の勝ち星をマーク。G1騎乗は11年天皇賞・春のコスモヘレノス(14着)以来、2度目となる。「1年前ならアップアップしてたかもしれないけど」と笑ったが「矢作先生にも、いっぱいオープン(クラス)で乗せてもらってきたし、プレッシャーのかかる場面も経験してきたから」と頼もしい。

 パートナーにはレースで騎乗していないが、デビュー前から調教にまたがっていた。最終追いでも感触を確かめ「もともと走る馬だと思っていた。当時より、しっかりしていい馬になったなと。何の癖もないし、心配はない」とキッパリ。

 前走・京王杯2歳S(3着)のレースもチェック済み。「直線は(外に)出してもらえず仕掛けは遅れたけど、最後は詰めてきている。上位2頭とも差はない」と評価する。1Fの距離延長についても「マイルの方が、ちょうどいいハミ掛かりで走れそう。折り合いさえつけば間違いなく脚を使える」と期待を寄せた。

 36歳の苦労人に急きょ巡ってきたG1騎乗。中谷は「4年前とは違って、ある程度人気を背負う立場。馬を信じて、自信を持って乗ろうと思う」と力を込めた。訪れたチャンスは、きっちりモノにしてみせる。

 ◆中谷 雄太(なかたに・ゆうた)1979年(昭54)9月16日、東京都出身の36歳。競馬学校14期生として98年、美浦・高松邦男厩舎所属でデビュー。13年秋からは栗東に拠点を移し、矢作厩舎を中心に調教に携わる。今年5月15日付で美浦から栗東・フリーに所属変更。JRA通算3099戦108勝。

続きを表示

2015年12月18日のニュース