【天皇賞・秋】ヒカリ差し切り!?万全ミロティックが主役の予感

[ 2015年10月30日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=29日】トレセン内を自転車で移動する岡崎を見かけて、カレンミロティックを引き運動する平田厩舎・高阪助手が声を掛けてきた。「レースの予行演習しといたで。エイシンヒカリに付いていって、最後でかわすイメージやね」。よく見れば、カレンの後ろを偶然にもエイシンヒカリが歩いている。平田厩舎と坂口厩舎が同じブロック、しかも隣同士に居を構えるからこそ見られるシーン。本番はエイシンがハナ、カレンが好位と予想されるが、それとは逆の順番だ。

 「前を歩いてたから、レースを想定して抜かしたんやわ。走らせたら分からんけど、少なくとも歩くのはミロティックの方が速い。レースでも同じパターンになればいいんだけど」と冗談っぽく笑うが、そんな練習もしたくなるぐらいに色気がある。「絶好調だった春の天皇賞に近い出来やね。一度使って体が締まったし、不安なくレースに行ける」と仕上がりに太鼓判。「それにこの馬は人気薄の方が走るからね」。昨年の宝塚記念は9番人気で2着、今年の春天は10番人気で3着。新聞の印を見るわけではないだろうが、評価が低いと反発して激走する勝ち気な7歳セン馬だ。

 今年の秋天はサイレンススズカが競走中止して予後不良となった98年と同じ、11月1日に行われる。当時、奈良教育大学4年で教師を目指していた高阪助手は「あの日は卒論の中間発表やってんけど、授業を抜け出して空いている部屋のテレビでレースを見たんだ。サイレンススズカが絶対に勝つと思っていたよ…」と懐かしそうに口を開いた。

 あれから17年、当時は自らがその舞台に立つとは夢にも思わなかったことだろう。先頭でゴールを通過してほしいという気持ちはもちろんだが、何よりも愛馬の無事を願って、決戦の地・府中に向かう。

続きを表示

2015年10月30日のニュース