【スプリンターズS】ハクサンムーン 弾丸ダッシュ決め逃魂2着

[ 2013年9月30日 06:00 ]

馬場入り後、旋回癖を見せてしまったハクサンムーン

 完全燃焼の2着。そのスピードを信じ、相棒ハクサンムーンと共に逃げまくった67秒間。酒井は顔を真っ赤にして引き揚げてきた。「本当に惜しかった。自分の競馬はできた。こういう大舞台で、しっかり走れることを再認識できた」

【レース結果】

 ゲートが開き、数度手綱をしごくと、あっという間に2馬身、前に出た。3F32秒9の弾丸ダッシュ。肉を切らせて骨を断つ。G1制覇のシナリオは完璧に運んでいた。

 しかし…坂上。酒井の左ステッキもむなしく、ロードカナロアに差された。ゴールの瞬間、鞍上はがっくりとうなだれた。「直線で追い出しを我慢できた。最後もいっぱい、いっぱいという感じでは決してなかった。でも…、相手は世界で通用する馬だから」。勝者を素直に称えた。

 「惜しかった」。健闘を称え合うように、勝った岩田の肩を抱いた西園師は、気持ちを切り替えて語った。たくましく成長した愛馬が誇らしかった。馬場入場時、お約束である左回りにクルクル回る旋回癖を見せ、場内を沸かせたのはご愛きょう。アイビスSD、セントウルSを連勝し、夏の王者を射止めたスピードは本物だった。「やっぱり速いでしょ!?最後も止まりそうになりながら踏ん張ってくれた。力をつけている。でも、向こう(ロードカナロア)は出遅れても来ちゃうんだから。強いよね」。西園師はため息交じりに続けた。

 3月のオーシャンS(9着)から、夏も休まず突っ走った。悲願G1制覇の夢は来年へ持ち越しだ。「よく頑張ったのでこれでお休み。来年です」(同師)。酒井は「また次、頑張る。そう胸を張れるだけの手応えを得られた」と胸を張った。

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2013年9月30日のニュース