【ジャパンC】ビートブラック絶好1枠 天皇賞・春V再現だ

[ 2012年11月23日 06:00 ]

天皇賞・春で栄冠をつかんだビートブラック(右)

 大外枠に入ったオルフェーヴルと対照的に、絶好枠を引き当てたのがビートブラックだ。今年の天皇賞・春を制した時と同じ1枠1番に入り、中村均師(64)のトーンも、がぜん上がってきた。先行馬不在の1戦で楽な単騎逃げも十分可能。歴史は繰り返すのか?怖い存在となりそうだ。

 笑いが止まらない。ビートブラックが絶好の1枠1番に入った。中村師は「どういう結果が出るかは分からないが、願っていた枠だから気分はいい。(前田幸治)オーナーも勝ったみたいに喜んでいたよ」と満面の笑み。オルフェーヴルが大外に入ったことを確認すると「天皇賞・春の時とよく似てるんちゃう?」。不敵に笑った。

 天皇賞・春は単勝159・6倍と全く人気がなかったが、今回と同じ1番枠から3角先頭の積極的な競馬で4馬身差の快勝。これまた今回と同じ大外発進のオルフェーヴルは11着と大敗し、大波乱となった。今年のジャパンCは先行馬不在のメンバー構成。ビートとて、最初から逃げたのは昨年の日経新春杯(10着)しかない。これまで師は「先導馬がいてくれる方がレースはしやすい」と好位からの競馬を示唆していたが、枠順決定を受けて「状況によっては逃げもある」と“作戦変更”の可能性もほのめかした。

 外国人騎手が10人も参戦する今年のジャパンC。だが、ビート陣営はあえてジャパンC初騎乗となる石橋脩に懸けた。G1は天皇賞・春の1勝のみ。この顔触れに入ると実績では見劣りするが、師は「コースやレースに応じて臨機応変な乗り方ができる。外国人騎手からも話があったが、初めての外国人を乗せるよりも東京をよく知っている彼に任せたい。いろいろ考えて思い切った競馬をしてくれるだろう」と期待を寄せる。続投指名を受けた石橋脩も、もちろん意気に感じている。「G1を勝たせてくれた馬だし、頑張りたい。前走も状態は良かったが、もう1列前で競馬ができれば違ったかな」とイメージを描いている。

 「ウチの馬が押し出されるようなら歴史的なスローペースになるぞ」と師。決め手比べでは分が悪いが、スローから早めに動いてリードを広げれば…。春の再現も夢物語ではない。

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2012年11月23日のニュース