【高松宮記念】安田師6F重賞制覇へ 切り札カレン

[ 2012年3月20日 06:00 ]

<高松宮記念>4頭出しの安田厩舎でも注目度◎のカレンチャン

 春のスプリンターNo・1を決めるG1「第42回高松宮記念」が25日、新装の中京競馬場で行われる。安田隆行厩舎が驚異の4頭出しで存在感を示しているが、注目は昨年のスプリント女王カレンチャンだ。休み明けのオーシャンSは4着だったが叩いた効果は絶大。手綱を取る池添にとっては阪神大賞典のオルフェーヴルでの“失態”を雪辱する舞台となる。出来万全の馬に、燃える鞍上の組み合わせで2つ目のG1奪取へまっしぐらだ。

 “叩いて上積み”は、カレンチャンのためにある言葉だ。昨年末の香港スプリント以来3カ月ぶりだったオーシャンSを使って挑む大一番。全休日の月曜朝、調教パートナーの安田翔助手が出来の良さをストレートに伝えた。

 「思っていた通り、レースを使ってからカイ食いが良くなった。オーシャンSを使って正解だったね。昨年のスプリンターズSが凄い出来だっただけにあれと同じとまでは言えないけれど、100点満点の仕上がりになるよ」

 ステップレースを使うことを理想としつつ、1月末に帰厩した当初は高松宮記念に直行するプランもあった。「冬は体重が増えなくて、あまり調子が上がらないタイプ」なのがその理由。しかし調整が極めて順調に進んで“ひと叩き”が決定した。レースは1番人気を裏切る4着に終わったものの、初の56キロを背負って終始外々を回る競馬だっただけに「いい脚を見せていたし、成長を感じる内容だった」と振り返る。

 1度使った効果が、より顕著なのは肉体面より精神面だ。休み明けだと過剰に気持ちが乗って、その愛らしい名前とは正反対の激しさを出してしまうから。「オーシャンSでも装鞍所からイレ込んでしまって…。力んで走って伸びあぐねた去年の伏見S(7カ月ぶり3着)と同じ感じ。もし直行していたら、今週カリカリした面を見せていたんだと思う」。だが、今回は中間の気配からして違う。程良く気合は乗りつつも「他馬のアクションには動じない」とどっしり構えている。「先週の追い切りでも、いつもは単走だと積極的に進まないのに最後まで抑えたままで行けた。掛からず落ち着き過ぎずの、いい時に見せるしぐさが出ている」

 安田翔助手の口から出てくるのは前向きな言葉ばかりだ。メンバーでただ1頭のスプリントG1馬。何より昨年の最優秀短距離馬として「受けて立つという気持ちはある」ときっぱり。新装なった中京名物の急坂で、女王の底力を見せつける。

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2012年3月20日のニュース