【スプリンターズS】「人気薄の逃げ」に要注意!

[ 2011年9月30日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・栗東=29日】馬も相手を本能的に察知する。西園厩舎。スプリンターズS出走のヘッドライナーは、スタッフの横に立つ井上に何のちゅうちょもなく近づく。大の猫好き、動物好きの井上には独特のニオイがある。ヘッドは警戒どころか顔を寄せてきた。

 光度の低い馬房内でも体調のバロメーターである毛づやは申し分ない。底光り。しかも昔から言われる『左後一白』だ。担当の鈴木睦子さんは鈴木孝志師夫人。乗り運動中の他馬鞍上から「話は中二さん(中二調教助手)に聞いてください。馬の状態はいいです」と朝日のような笑みを見せた。馬と同時に「人を見よ」は言い古された格言。厩舎待機室で稽古担当の中二助手は井上の期待を上回るコメントだった。

 水曜坂路追いは上がり重点でラスト11秒8だ。「朝一番(のラッシュ時)に待機馬場で暴れ馬を見てテンションが上がってしまったんでテンから行かさなかったんです。折り合い付いてたし手応えも楽。やれば50秒切る(4F)馬ですからね。しまい11秒台は乗ってて気持ち良かった」と振り返る。夏休み返上でコンスタントに走ってきた。目に見えぬ疲れを心配したが「前回の稽古はゴーサインの指示にすぐには沈む感じにならなかったけど、この中間少し楽させたことで今回は“よしっ”という感じで沈んでくれた。カイバはナンボでも食べるしね」と状態に太鼓判を押す。ただし下馬評は当然低い。

 「ゲートひと息だけど二の脚でハナに立つ馬。少々強引に無理なラップを刻んでも逃げればしぶといですからね。それにレース当日に輸送がない(土曜移動)のもいい」と前向きに語った。2年連続CBC賞でダッシャーゴーゴーと熱闘(1着→2着)を演じた馬だ。今回は『人気薄の逃げ』が成立しそうである。

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2011年9月30日のニュース