【函館記念】アクシオン、SS産駒の意地みせる

[ 2011年7月20日 06:00 ]

函館記念で18年連続重賞Vを狙うアクシオン

 函館記念に参戦するアクシオンはサンデーサイレンス産駒の最終世代。昨年の中山金杯Vで産駒の重賞V記録を17年に延ばした孝行息子だ。昨年の札幌記念ではそうそうたるメンバーを相手に3着に食い込んでおり、相性のいい洋芝で復活Vを期す。

 「俺もいよいよ定年だからね。(重賞は)函館記念と札幌記念の2回だけ」。来週の29日に65歳の誕生日を迎える清水義弘厩務員。かつて重賞2勝のダイワカーリアンを担当した腕利きは「40数年もこの世界にいたんだから長いよ」と自らの競馬人生を振り返り、苦楽を共にする現在の担当馬アクシオンには「仕上がりは次の札幌記念がいいだろうけど、メンバー的には今回の方がチャンスがある」とドラマチックな結末を望んでいる。

 数々の名馬を引退に追い込んできた屈腱炎だが、今は幹細胞を腱に移植する手術で復帰するケースがある。“砂のディープ”ことカネヒキリが有名だが、4歳時に左前屈腱炎を発症したアクシオンも、また同じ開業獣医の永田獣医師の手によって蘇生した。

 「(永田獣医師は)30数頭の手術をやった中で最高傑作と言っていたな。たっぷりと休養させることが大事で、100%治った今では何の心配もないんだよ」

 休養は2年以上にも及んだ。27カ月間の空白期間を経ての復活劇は09年暮れの鳴尾記念で待望の重賞初勝利。さらに年をまたいだ昨年1月の中山金杯も勝って、重賞2連勝とした。この中山金杯の白星には大きな意味がある。サンデーサイレンス産駒17年連続重賞Vとなる1勝で、同時に産駒の現時点で最後の勝利となっている。これまでの連続重賞Vは18年(パーソロン、ノーザンテースト、ブライアンズタイム)が最高。残されたチャンスはそう多くはないだけに、ここで並んでおきたいところだ。「追い切りは(三浦)皇成が乗って本馬場でやる。芝を走らせればピリッとしてくるんだ。この馬は賢いんだから」とベテラン厩務員は記録達成へ意欲を見せた。

 ≪SS産駒、現役馬3頭のみ≫94年のデビュー以降、日本競馬を変えたとも言われるサンデーサイレンス産駒だが、現役馬はアクシオンのほかに、キャプテンベガ、サクラオールインの3頭のみ。アクシオンが昨年の中山金杯を勝ち、デビュー年から17年連続重賞Vの記録を継続中だ。サンデーサイレンス産駒の函館記念Vは96年ブライトサンディー、99年ジョービッグバン、02年ヤマニンリスペクトの3勝。

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2011年7月20日のニュース