【MB記念】今村6年5カ月ぶりSG獲得!

[ 2010年8月30日 06:00 ]

<MB記念・優勝戦>1周2マークをトップでターンする今村豊

 ボートレース蒲郡のナイターSG「第56回MB記念」は29日、12Rで優勝戦が争われた。レースは圧倒的な人気を集めた1枠の今村豊(49=山口)がインから気迫の逃げを決めてそのまま先頭ゴール。04年3月の福岡総理杯以来、6年5カ月ぶり7回目のSGタイトルを手にした。今村はこの優勝で今年の獲得賞金が8000万円を超え、年末の賞金王決定戦(住之江)出場もほぼ確実となった。

 今年のSGを独占してきた“4000番台”の快進撃に待ったをかけたのは“2000番台”の49歳・今村だった。ゴールの瞬間は「泣きたい気持ちだった」とあふれ出そうな感情を抑えるかのように、いつもより深く伏せ込んだように映った。それでもファンの祝福の大歓声を感じ、すぐに高々と右手を挙げて応えた。
 絶対にまくらせないという強い気持ちが1Mににじみ出ていた。中堅域のパワーに加えて2コースの浜野谷がスタートで後手を踏むという、インにとっては最悪の展開。3コースから中島が伸びかけたが、それでも気合十分に抑え込んで先制に成功すると、あとは栄光のゴールへ突き進むだけだった。
 今でこそスローからのレースに徹しているが、若いころはアウトからの全速ターンで先輩たちを震え上がらせた。その後も常にボート界のトップクラスをキープしてきたが、08年12月下関一般戦を最後に優勝から遠ざかった。「やっぱり年齢なのかなあと考えたけど…いや、まだやれる」と思い直す自問自答を続ける日々だった。だが、この勝利でそんなモヤモヤは一気に吹き飛んだだろう。
 04年以来となる賞金王出場も見えてきた今村は「正直(出場が見えて)ホッとしているが、そのときは最後の賞金王にならないように頑張りたい」と笑顔で締めくくった。まだまだ若手にボート界の主導権を譲るつもりはない。

 ◆今村 豊(いまむら・ゆたか)1961年(昭36)6月22日、山口県生まれの49歳。81年3月登録の48期。同期は鵜飼菜穂子、池上正浩ら。SG初制覇は84年の笹川賞(デビュー史上最短の3年1カ月)で、G1・43V、SG・7Vを含む通算117V。1メートル63、50キロ。血液型A。

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2010年8月30日のニュース