【女子王座決定戦】“驚異の復活”海野、女王奪還へ!

[ 2010年3月2日 06:00 ]

<第23回JAL女子王座決定戦・前検>海野ゆかりに取材する、粱島幸子記者(右)

 女の気持ちは女に任せて!G1「第23回女子王座決定戦」(優勝賞金750万円)が2日、下関競艇場で開幕する。元女子レーサーの梁島幸子記者が04年以来、6年ぶり2度目の女王を目指す海野ゆかり(36)に迫った。

 静まり返った共同記者会見で魚谷が「調整の方向性は見えています」と答えた瞬間だった。扉の向こうから「はやっ!」と謎の叫び。厳粛?な会見場を笑いの渦に突き落としてしまった声の主は“水上のタカラジェンヌ”こと海野ゆかりだ。その名の通り外見は白馬に乗ってそうな男前、いや美形レーサーだが、中身はそうでもなかったりする…。
 そんな海野さん、近年はいろいろとありました。恐怖のF多発です。日々スタート勝負の選手にとって避けては通れない道でもありますが、半端じゃなく切ってしまった。2期連続のF2で09年前期はまさかのB2級に。ダメ押しとなった08年7月の宮島優勝戦Fから復帰したのは4カ月後の11月。09年はリーグ戦も卒業しており、海野にとって選手生活最大のヤマ場だったに違いない。しかし「悔しいのは一瞬だけ。休みを利用して思う存分、練習したしプロペラもいろいろ試した。自分を見直せたし、身に付くことがたくさんあった」と驚異の復活。一般戦と女子戦で年間6Vを達成。A1級に返り咲くどころか総理杯の権利まで手に入れてしまった。
 「最高のリズムでここに来られた。何かしら結果を出せると思う」。04年の第17回大会(多摩川)以来の女王奪還を大アピールする。もうこれは狙うしかありません。不安材料は海野にとって中国地区で優勝がないのは下関だけということくらい。しかし、この不安も「エンジンが減音型になったから流れが変わるかも。前走、減音の多摩川で何となく調整が分かったから方向性はつかめてます!」。魚谷に負けじとこう言い放って、不安を笑い飛ばしてしまった。

 ◆海野 ゆかり(うんの・ゆかり)1973年(昭48)11月28日生まれの36歳。広島支部所属。92年登録の71期生で同期は岩崎芳美、山崎智也、深川真二ら。通算成績は勝率6・37、1010勝、優勝30回。04年の女子王座(多摩川)でG1初制覇。1メートル64、47キロ。血液型O。

 ◆梁島 幸子(やなしま・さちこ)栃木県出身。競艇学校本栖研修所(山梨県)に一発合格。86年登録の59期生としてデビューを果たすも選手生活6年半で挫折。競艇の奥深さを伝えることが使命と悟り、競艇記者に転身して十数年に至る。

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2010年3月2日のニュース