日産、タイ製「マーチ」発売

[ 2010年7月13日 06:00 ]

国内販売が始まった日産の新型「マーチ」

 日産自動車は13日、タイの工場で生産した新型「マーチ」の国内販売を始めた。日本で売る主力車種の生産を国内から海外に切り替えるのは日本メーカーで初めて。マーチの全面改良は2002年以来、8年ぶりとなる。

 三菱自動車も今後、タイ生産車を輸入する方針で、国内の生産体制が空洞化する懸念も強まっている。タイ製マーチの売れ行きが、日本メーカーによる今後の製造拠点の展開を占う試金石になりそうだ。
 新型マーチはグローバル市場向けに新たに開発。日産はマーチをコスト競争力の高いタイやインド、中国、メキシコで生産し、160以上の国や地域で販売する計画。日本向けはタイで生産することにした。
 停車時にエンジンを休止するアイドリングストップ機能を主力車種に装備。排気量1200CCのエンジンを搭載しており、ガソリン1リットル当たりの燃費は26・0キロと、旧型の19・0キロから大幅に改善した。価格は99万9600円から164万4300円。目標販売台数は月4千台。
 志賀俊之最高執行責任者は「クラスナンバーワンの低燃費、運転しやすさ、求めやすい価格で売っていきたい」と話した。
 主な顧客層は20代後半から30代前半の女性を想定している。マーチは1982年に初代が発売された日産を代表する小型車で、今回で4代目。
 自動車の国内生産は金融危機前の約1160万台(2007年)から、09年は約793万台に縮小した。輸出を支えてきた先進国市場は低迷が続き、現地生産中心の新興国市場が台頭。外国為替相場の円高傾向や派遣労働の規制強化の動きもあり「海外生産を増やしていかざるを得ない」(自動車メーカー幹部)という見方が大勢だ。

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2010年7月13日のニュース