ハミルトン圧倒V!最年少王者は“お預け”

[ 2008年10月20日 06:00 ]

優勝したマクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトン

 F1の中国GP決勝は19日、上海国際サーキットで行われ、現在ドライバーランク首位のルイス・ハミルトン(23=マクラーレン・メルセデス)が、ポール・ツー・ウインで第10戦ドイツGP以来7戦ぶり今季5勝目、通算9勝目を挙げた。同ランク2位のフェリペ・マッサ(27=フェラーリ)も2位に入り、年間王者争いは7ポイント差で今季最終戦ブラジルGP(決勝11月2日)に持ち越された。

 史上最年少年間王者を目指すハミルトンが1週間前の日本GPで失敗したスタートを決め、圧倒的な強さを見せた。昨年の日本GP以来自身2度目となる優勝、PP、最速ラップの「ハットトリック」も達成。他車に影を踏ませない走りで2位のマッサに約15秒の大差をつけ、「今年1番のスタートを決めた。ギャップが広がって楽なレース展開だった」と笑顔をのぞかせた。
 圧勝したハミルトンに対し、ライバルのフェラーリも意地を見せた。2年連続の年間王者が消滅したライコネンは、2番手を走行していた残り7周で3番手の同僚マッサを先に行かせる“アシスト”。王者のプライドを捨てサポート役に徹したライコネンは「チームとして当たり前のことをしただけだ」と一枚岩を強調した。ポイント差を最小限に食い止めたマッサも「今回はハミルトンにかなわなかった。ライコネンをうまくパスできた」と悲壮感はない。
 最終戦ブラジルGPを残し、ハミルトンはマッサに7ポイント差をつけた。同GPでマッサが優勝しても、自身が5位以上に入れば年間王者が決定する。しかし、昨年も最終戦を前にライコネンに同じ7ポイント差をつけながら、ブラジルで7位に沈み1ポイント差でタイトルを逃した。しかも、ブラジルはマッサの地元で完全アウェー状態が予想される。「僕は去年の悔しさを乗り越えて成長した。王者になる自信はある」。天才ドライバーは、フェラーリの厚い壁を破って栄冠をつかむことができるか。

 ▼中嶋一貴(17番手スタートで12位) 1ストップ作戦を選択して、走行ペースは悪くなかった。結果的に入賞はできなかったが、やるべきことは全部やれた。次のブラジルは去年F1デビューした場所で、経験があるのは大きい。いいレースができると思う。

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2008年10月20日のニュース