【浜田剛史 我が道17】KO記録より「オレは強い相手とやりたい」
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大きな自信を得た米国遠征2戦を終えて帰国し、1984年(昭59)7月のクナナン(フィリピン)戦を挟んで、9月9日についに元世界王者と対戦することになりました。
クロード・ノエル(トリニダード・トバゴ)は、81年9月にWBA世界ライト級王座を獲得。初防衛は失敗しましたが、82年7月に英連邦王座を獲ったボクサーです。世界への本番と思いました。
やはり、うまかったですね。派手ではないけど、オレが打つ瞬間に両肩をスッと押さえて動きを鈍らせる。普通は守りますけどね。なるほど、と。それでも、KOしなきゃいけないですから、構わず打ちっぱなしです。4回に左ストレートで2度、ダウンを奪ってKO勝ちしました。
KOしなきゃいけなかったのは、13連続KO勝利の日本新記録が懸かっていたからです。それまでは、ムサシ中野(笹崎)、赤井英和(グリーンツダ)、串木野純也(進光)の12連続が日本記録で、オレはクナナン戦で並んでました。
記録は15連続KO勝利まで伸び、今でも日本記録ですが、記録を作ろうという感覚はなかったですね。記録のためにマッチメークする例もありますが、オレは強い相手とやりたいと考えていた。デビュー3戦目の判定負けから、やっぱりKOじゃないとダメだ、と積み上げた結果だと思いますね。
ただ、周囲は盛り上がってました。その期待に応えなきゃいけない、でも拳を折ってはいけない。やりにくいところはありました。後の話ですが、東洋太平洋タイトルを判定勝ちで獲った試合後、記者の第一声が「浜田くん、(連続KOが途切れて)残念だったね」でしたから。
同じ年の12月2日、日本ライト級王者・友成光(新日本木村)に挑戦しました。日本ランク1位だったから、毎年秋のチャンピオンカーニバル(指名試合)に出ただけで、日本タイトルにこだわりはなかったですね。
友成は世界挑戦経験があって、日本王座も2階級制覇してますけど、7回TKO勝ちでした。初タイトルの喜びより、ライト級は厳しい、と感じた試合でした。当時は当日計量ですが、昼間のテレビ生中継があって前日計量だった。回復までの時間が長いのですが、それでもバテるし、動けない。周囲から、7回まで「もたついた」と言われましたね。
減量は10キロ以上で、タイトル戦以外はジュニアウエルター(現スーパーライト)級でやってました。最後の1週間は水を飲まず、カッパで練習しても、汗が出ないから1グラムも体重が落ちない。そうするとライト級では食べない以外ない。寿命が縮まりますね。
日本王座は、85年4月にタイ王者とノンタイトル戦をやった後に1度も防衛することなく、返上しました。
◇浜田 剛史(はまだ・つよし)1960年(昭35)11月29日生まれ、沖縄県出身の65歳。沖縄水産高で高校総体王者。帝拳ジムからプロデビューし、84年12月に日本、85年7月に東洋太平洋のライト級王座を獲得。86年7月にレネ・アルレドンド(メキシコ)を衝撃的な初回KOで破り、WBC世界スーパーライト級王座を獲得した。戦績は24戦21勝19KO2敗1無効試合。現在は帝拳ジム代表。
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