×

【悼む】がん闘病中になぜ電流爆破マッチ?本気で怒る私に西村修さんは…本当にいつだってかっこよかった

[ 2025年2月28日 20:20 ]

プロレスラーの西村修さん
Photo By スポニチ

 プロレスラーで東京・文京区議会議員の西村修(にしむら・おさむ)さんが28日、死去した。53歳だった。昨年4月に食道がんと診断され、闘病生活を続けていた。早すぎる旅立ちに、瀬津真也記者が追悼のメッセージをつづった。

 × × ×

 「プロレスラーってクライマーズ・ハイなんですよ」

 昨年8月。闘病の最中にプロレス復帰するというので「末期がんですよ!脳腫瘍で意識も失ったのに、なぜ電流爆破マッチを。怖くないんですか?」。車の助手席でいつも通りに冗談ばかり言う西村さんに、私は怒気を交えた口調で迫った。

 すると「そりゃあ、いきなりステージ4と言われた時は“参ったな、息子もまだ5歳だぞ”って思いましたよ。でもね、目標(試合)がある方が、体に精気がみなぎってくる。それにプロレスラーは、いつも命を張ってる職業。このがんもまさに無制限一本勝負。そう考えると、心の奥底からゾクゾクしてくる自分がいるんですよ。その感情が恐怖に勝っちゃう」。そう言うとフフフッと笑った。

 脳の開頭手術を受けた直後の12月も、政治家らしくビシッとスーツを着こなして待ち合わせ場所に現れると、「今回の自宅での失神は就寝中。妻が異変に気づいてくれなかったら私はそのままあの世行きでした」と笑いながら明かした。

 当然、自分自身を励ます側面もあった言葉だろう。それでも絶望的な状況なのに、実際に会うたびに「この人なら本当に完治させるかも」と思わせてくれた。究極にまで追い詰められても、最期までリング上と同じく頼もしい姿であり続けた。

 酒に酔って私を締め落とした西村さん。米国での二日酔い運転で警察に止められた際、「香水ビンを一気飲みして逃れた」とうそぶいて笑わせた西村さん。石垣島で泡盛片手にカチャーシーを踊り狂った西村さん。酒にまつわる思い出ばっかりですよ…。

 「昔の私はひと口だけで顔が真っ赤でね。飲めない体質なんです。でも、毎日浴びるように飲んで完全に克服した。ただ、その無理な飲酒がたたって食道がんになっちゃった。因果応報です」。やっぱり笑いながら振り返っていた。

 本当にいつだってかっこよかった。これぞプロレスラーな生き様だった。(瀬津 真也)

続きを表示

この記事のフォト

「西村修」特集記事

「井上尚弥」特集記事

格闘技の2025年2月28日のニュース