21年にロマチェンコと拳を交えた中谷正義「いろんな人のサポートのおかげ」 地元大阪で引退パーティー
プロボクシング元東洋太平洋ライト級王者の中谷正義(34)が15日、大阪市内のホテルで引退記念パーティーに臨んだ。「これだけ長い間、ボクシングを続けてこられたのはいろんな人のサポートがあったおかげ」。この日の参加者をはじめ、支えてもらった周囲へ感謝を語った。
パーティーには12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストで元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太、12年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストで元東洋太平洋フェザー級王者の清水聡、元WBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守、元WBO世界ミニマム級王者の山中竜也ら約160人が出席した。
中谷は19年7月にテオフィモ・ロペス(米国)に敗れ“負けたら引退”の公言通りいったん引退を表明。しかし村田から「もったいない」と説得され、帝拳へ移籍した上での復帰へ道筋をつけてもらった。この経緯があり「村田さんにチャンスを与えてもらった。それまでは(試合会場などで会えば)あいさつする程度だったんですけど。本当に恩を感じています」と深く感謝する。
現在は大阪市東成区にあるフィットネススタジオ「BOXEO」でトレーナーを務める。興国高、近大ボクシング部で同期の岡山リョウ会長のもとで、将来のアマチュアジム開設に向けて勉強中だ。ずっと競技の世界で生きてきただけに「ボクシング以外のことで、人と何を話せばいいのか分からない。ジャブすら打てない感じです。34歳で社会人デビュー。4回戦ですよ」と苦笑いする。「今は勝負の世界から少し離れたい」と話すものの、いずれはプロボクシングの世界へ戻る可能性もありそう。
思い出の試合には帝拳移籍後初戦、20年12月に米ラスベガスで行われたフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)戦を挙げた。4回までに2度ダウンを奪われながら9回逆転KOの劇的勝利。尽力してくれた帝拳の本田明彦会長や村田らへ“恩返し”できたという思いもあった。また、この試合により本場での評価を上げ、21年6月に元ライト級3団体統一王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との対戦につながった。世界的なビッグネームには9回TKO負けを喫したものの、強烈なインパクトを残した。
◇中谷 正義(なかたに・まさよし)1989年3月8日生まれ、大阪市出身の34歳。興国高、近大でアマ戦績は25勝(7KO)5敗。興国高の同期には世界4階級制覇王者の井岡一翔、元WBA世界ミニマム級王者の宮崎亮。プロ戦績は20勝(14KO)3敗。井岡ジムから2011年6月にプロデビューし、14年1月の7戦目で加藤善孝(角海老宝石)に判定勝ち、東洋太平洋ライト級王座を獲得(防衛11)。19年に引退表明するも20年に現役復帰し帝拳へ移籍。1メートル82の右ボクサーファイター。
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