辰吉寿以輝、1328日ぶり勝利 地元大阪で全日本選手権準優勝を5回TKO 井上尚弥ら激戦区に参戦
元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(53)の次男・寿以輝(27=大阪帝拳)が6日、大阪市内で2年9カ月ぶりの復帰戦に臨み、5回TKO勝ちした。19年全日本選手権準優勝のアマエリート・山原武人(23=泉北)から1回、左フックでダウンを奪うと5回に連打で仕留めた。今後はこの日のフェザー級から一時日本7位にランクインしたスーパーバンタム級へ戻し、年内の再ランク入り、来年のベルト奪取を目指すという。
試合直後のリング上インタビュー。「思い通りじゃない。堅かった。でも今日のところは合格点です」と辰吉が手応えを語った。主戦場から1階級上ながら、言葉通りの力強さだった。
1回、山原を仰向けに倒した。愛称「浪速のジョー」で90年代に絶大な人気を誇った父を思わせる、得意ブロー。2、3回と攻めあぐねたが4回、左ジャブでリズムをつかむと左ボディーアッパーから再度チャンス。そして5回、右ストレート以降たたみ掛け、連打を振るうとレフェリーが試合を止めた。
「(山原が)アマチュアエリートと聞かされていた。フェザー級なんでもらったらきくなというパンチはあった。でも殴り合いなら誰にも負けはしないと思った」
コロナ禍もあり2年9カ月ぶりのリング。試合1カ月前には左あばら骨や肩ひじを痛めたという。長身の相手にやりづらさを感じてもおかしくなかったが「僕、手足が長いんで」。父譲りの身体的特性も武器に、強打で主導権を握り続けた。
19年12月17日、日本ランカー対決を4回TKOで制して以来1328日ぶりの勝利。リングサイドで観戦した丈一郎は「手足がバラバラやったよ」。相変わらずの辛口採点ながら「コンスタントに試合をしてないことを思ったらブランクがある中、ええんちゃうの?」と及第点を与えた。
スーパーバンタム級はWBCとWBO2団体統一王者・井上尚弥(30=大橋)に元世界2階級制覇王者・亀田和毅(32=TMK)、那須川天心(24=帝拳)とタレントそろい。年内の再ランク入り、来年のベルト獲りを青写真として描く大阪帝拳の吉井寛会長が「(亀田)和毅とやる?」と水を向けると「誰でもウエルカム」。激戦区に話題性満点のノーランカーが参戦する。
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