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村田諒太が引退理由を説明「ボクシングに求めるものが見つからなかった」今後は「知識や経験を還元」

[ 2023年3月28日 12:28 ]

<村田諒太引退会見>引退会見を行う村田(撮影・島崎忠彦)
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 プロボクシング元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(37=帝拳)が28日、都内のホテルで引退会見を開いた。最初にプロ転向後の歩みを紹介する映像が流れ、村田は「BIG THANKS! RYOTA MURATA」のメッセージとプロ全19試合の写真のパネルが配置された壇上にスーツ姿で登場。「本日をもってプロボクサー村田諒太は引退いたします。応援していただいたみなさま、ありがとうございました」とあいさつすると、帝拳ジムやスポンサー、家族などに感謝。「これは引退という名のスタートと思っている。よりよい社会、未来をつくるために、スタートを宣言する場と思っている」と話した。引退の決断については「引退以外の選択肢はなかった。決断には時間がかかったが、これ以上ボクシングに求めること、ボクシング界にできることがあまりみつからなかった」と説明。今後に関しては「自分が得てきた知識や経験を、どうやってみなさまに還元していけるか。体を動かすことに関しては、それなりの経験がある。社会で必要としている方々に生かしていければ。その道を歩みたいと思っている」と語った。

 村田は世界的に選手層の厚いミドル級で戦い、アマでは11年世界選手権で銀メダル、12年ロンドン五輪では日本人48年ぶり2人目となる金メダルを獲得。プロでは17年10月に2度目の挑戦でWBA世界ミドル級王座を獲得し、日本人で初めて五輪とプロの両方で頂点に立った。一度は王座陥落も、19年7月にWBA王者に返り咲き、昨年4月9日にさいたまスーパーアリーナで当時IBF同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と王座統一戦で激突。9回TKO負けした。

 今年2月16日に帝拳ジムの本田明彦会長に引退の意思を伝え、同22日に都内で開かれたボクシング年間表彰式では年間最高試合賞を受賞したゴロフキン戦について「あの試合が僕の中では最後の試合と思っている。最後の試合が評価されたのは凄く感慨深い」と事実上の引退を表明。最後の試合か、との念押しにも「まだ発表できていないだけの話で、個人的にはそう思っています」と強調した。

 ◇村田 諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日生まれ、奈良県奈良市出身の32歳。南京都高(現京都広学館高)―東洋大。11年世界選手権ミドル級銀、12年ロンドン五輪同級金メダルなどアマ138戦119勝(89KO・RSC)19敗。13年8月プロデビュー。17年5月に世界初挑戦でアッサン・エンダム(フランス)に不可解な判定負けも、10月の再戦で7回TKO勝ちしてWBA同級王座獲得(防衛1)。日本人五輪メダリスト初の世界王者となった。18年10月、ロブ・ブラント(米国)に判定負けで王座陥落も、19年7月の再戦で2回TKO勝ちして2度目の王座獲得(防衛1)。22年4月、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とのWBA&IBF王座統一戦に9回TKO負けして陥落した。身長1メートル82、リーチ1メートル83の右ボクサーファイター。プロ通算19戦16勝(13KO)3敗。

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