村田諒太、膝と肘に故障を抱えて戦っていたと本田会長が明かす「体力と頭脳は最高の選手」

＜村田諒太引退会見＞記念撮影する（左から）那須川、村田、スポーツ庁・室伏長官、山中氏（撮影・島崎忠彦）
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　プロボクシング元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太（37＝帝拳）が28日、都内のホテルで引退会見を開いた。帝拳ジムの本田明彦会長（75）は現役生活終盤の村田が「膝と肘が完全にダメだった。練習も7割ぐらいしかできなかった」と明かした。村田は南京都高の恩師、故・武元前川さんから「ダメージをためて引退したらダメだ」と言われていたそうで、会見でも「プロに行かないという約束は破ってしまったが、健康のまま引退するという最低限の約束は守れた」とコメント。本田会長も「引退は最高のタイミング」と指摘した。

　12年ロンドン五輪金メダリストの村田をプロデビューからプロモート。「金メダリストがプロに来るからには世界王者にならないと意味がない。村田は世界王者になるために来た。来たからには世界王者にしないといけないから大変だった」と振り返った。村田については「体力と頭脳は最高。ボクシングを頭の中でよく理解していたという意味で最高の選手。これだけ研究して理解している選手はいない。努力でここまで来た」と評し、「自分のやることには限界もあるので苦労したのでは。体は鍛えていたけど、考えたようには動かなくて。（現役最後の）ゴロフキン戦の練習もケガしているのを忘れて無理をしていた」と話した。

　昨年4月のゴロフキンとのミドル級王座統一戦ではプライム・ビデオがボクシング界に参入し、配信サービスが中継の主流となるきっかけをつくった。本田会長は「村田で（視聴数の）数字が出て成功したから、他の会社もついてきている。意義は大きい」と説明。ゴロフキン戦の村田のファイトマネーは約6億円とされており「ファイトマネーを上げた功績は大きい。間違いなく今までで一番稼いだ選手。1桁は違う。あと少ししたら井上尚弥が抜くと思うが」と分析した。村田に続く選手は現れるのかと問われると「（野球の）大谷翔平じゃないが、これから（海外に）体格で負けない選手が出てくるのでは。日本のボクシングのレベルは高い」と期待感を口にした。