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ACミランから声かけられた“逸材”原優奈がタイトル初挑戦 「天才サッカー少年でした」

[ 2023年3月3日 15:54 ]

日本スーパーフェザー級王座に挑戦する同級1位の原優奈
Photo By スポニチ

 ボクシングイベント「3150FIGHT SURVIVAL vol.4」(4月1日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)に出場するWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王者の西田凌佑(26=六島)ら3選手と同興行を手がける亀田興毅ファウンダー(36)が3日、大阪市西成区のKWORLD3ジムで会見した。

 メインを務める西田を差し置いて、この日の“主役”は異色の経歴を持つ日本スーパーフェザー級1位の原優奈(ゆうな、28=真正)だった。タイトル初挑戦で同級王者の坂晃典(31=仲里)と対戦する。

 「天才サッカー少年でした。ピークは小学生のころですけど」

 日本代表MF南野拓実と同学年で、小学生時代はナショナルトレセンで南野と一緒に選抜合宿にも参加し、ACミランからスカウトされたという。ただ、欧州行きは実現しなかった。「素行が悪かったんですかねえ」。親が話す関西弁をけなされたと感じてケンカし、相手の耳にかみつくなど闘争心が強かった。特待生として進学した日本航空(山梨)は「1年生の終わり頃」には恋愛関係のもめ事が原因で上級生とケンカして退学。その後は日本各地やシンガポール、マレーシア、韓国などを「フラフラした」上で20歳からボクシングを始めた。

 「K―1でチャンピオンになりたい」。そう思い、門をたたいたのがボクシングのSFマキジム。そこから「ボクシング業界もいろいろありますから」と六島、渥美、千里馬と渡り歩き、現在は真正ジムに1年ほど在籍している。

 戦績は12勝(6KO)2敗1分け。昨年10月の挑戦者決定戦で波田大和(帝拳)に判定勝ちしてチャンスをつかんだ。アマ経験が全くないまま順調にキャリアを積んだあたりに“天才サッカー少年”らしい身体能力の高さをうかがわせる。本人も「昔は距離を取ってアウトボクシングしたりしましたけど、今は変わってます。何でもできますよ」と自信満々だ。王者の坂は22勝(19KO)6敗という戦績のハードパンチャー。その印象を問われ「昔は坂チャンピオンも強かった。今は余裕で圧倒します。パンチが強くても僕には当たらない」と言い切った。

 妹の海七(みいな)はU―18日本女子代表候補で、現在はMFとして静岡SSUボニータでプレー。パーソナルジムのトレーナーを副業にする原のもとで、妹がボクシングトレに励むこともある。原は「サッカーに未練はない。ボクシングをやるからには世界を目指している。日本タイトルはそこへのスタートライン」。その本気度をリングで示す。

 ◇原 優奈(はら・ゆうな)1994年(平6)9月20日、大阪市出身の28歳。日本航空(山梨)退学まではサッカーに励む。20歳でボクシングをはじめ、15年3月プロデビュー。19年4月から現在6連勝中。1メートル76の右ボクサーファイター。

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2023年3月3日のニュース